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ビールと酸素は犬猿の仲!?

こんにちは!
クラフトビール初心者、ビールの縁側運営スタッフ”あっすー”です!

このシリーズでは、
クラフトビール初心者だけどクラフトビールが大好きなあっすーが
この業界に入って驚いたことや新発見などをお伝えしていきます!

ド初心者の新発見なので全然「ウラ話」じゃないかもしれませんが(笑)、
意外と知らないこぼれ話もあるかも!?

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ビール好きにとっては当たり前かもしれない、『ビールと酸素』の関係。

ビールは「鮮度が命」と言われるほど、出来たて・つくりたてが最もおいしいといわれています。

ですが、ビールは空気に触れる場所で放置していると『酸化』してしまうとか。

あれ??
これってつまり、『ビールと酸素』は触れ合ってはいけない犬猿の仲…?

じゃあ一体、ブルワリーでつくられてから飲む瞬間までどうやって保管されているの?

なんてギモンが湧いてきませんか???

そこで今回は、ビールが劣化してしまう仕組みと皆さんのお手元に届くまでどのように劣化させずに出来たてをキープしているのか、そのヒミツをお届けします!


▼ビールの縁側はこちら



ビールと劣化の関係

「ビールは長期間時間を置くと劣化する」「酸素に触れると劣化する」というのを皆さん一度は耳にしたことがあるかと思います。

出来たて・つくりたてが美味しいというのはもちろんですが、『ビールの劣化』とは実際にはどんなことが起きているのでしょうか?


①時間経過による劣化

まず、長期間の時間を置くことについて。

ビールの中でも特にクラフトビールの多くは、材料の仕込みが終わり、発酵の工程で投入する『酵母』を死滅させることなく皆さまのところまでお届けします。

通常、ビールに含まれる酵母が活動状態にならないように、お届けするまでの全ての流通過程で冷蔵し、眠らせています。
しかし眠ってはいても生きている状態なので、ビンの中の成分をすこーしずつ消費しているといわれています。

これにより、時間の経過とともに出来たての味からは変化してしまい、最高の美味しい!状態ではなくなってしまうのです。


▼クラフトビールの詳しいつくり方はこちらも読んでみてくださいね♪


②酸化による劣化

酵母以外のビールの原料自体も、酸素に触れることで品質が変化するものがあります。

実はビール醸造は、自然の原料を使って様々な化学変化を起こして出来上がっている、とってもロジカルな飲み物!

計算しつくされた原料、配合、製造工程でつくられているので、化学変化を起こさせやすい物質である『酸素』の量がコントロールできない状態=空気に触れる状態にビールを置いてしまうと、あっという間に味の変化が起こってしまいます。

また、『酸素』の厄介なところが、温度によって液体に溶け込む量が変化するということ!

温度が高くなれば高くなるほどビールの中に溶け込んでいく酸素量が増え、より酵母の活動を活性化したり、酸化を早めたりします。


ビールが出来上がると…

では、長期間の放置や酸素に触れると劣化してしまうビールは、一体どうやって保管されているのでしょうか?

ビンや缶に詰める場合には、『酵母を生きたまま充填する』方法と『死滅させる』方法があります。

酵母を生きたまま充填する場合には、前項のように冷蔵保管することで酵母を眠らせ、活動を抑制しています。

酵母を死滅させる場合には、風味に少し変化が起きてしまいますが時間が経過しても酵母の活動による劣化が起きづらくなるため、長期保管が可能になります。

また、酵母を生きたまま充填する場合も、死滅させた後に充填する場合も、蓋のギリギリまでビールを詰めたり、品質への影響が少ない『窒素ガス』を充填することで、できるだけ容器内での酸素の影響を減らしています。


しかし、ビンや缶のように飲む瞬間まで密封できる容器はこちらの方法で問題無いのですが、『タップ』と呼ばれる注ぎ口からグラスへ注ぐサーバーの場合はそうはいきません。

ブルワリーが飲食店に出荷する場合には『樽(ケグ)』と呼ばれる容器で出荷するのですが、お店で一杯ずつお客さんにビールを提供すると、容器の中のビールは少しずつ減っていきます。

ビールが減っていく度に容器に空気が入ってしまうと、どうなるでしょうか?

最後の方に残ったビールは、きっと味が変わって飲めたものではありませんよね…(笑)

こうなることを防ぐために、飲食店で使用される『樽』ではビールを押し出すと、代わりに二酸化炭素ガスが充填される仕組みになっています。
(実際には二酸化炭素を樽に押し込む圧力でビールを押し出す形となっています!)

二酸化炭素ガスも酸素と同様ビールの中には溶け込んでしまう性質を持っていますが、元々ビールには炭酸があり、酸素に比べると溶け込んだ影響が大きくないため一般的に二酸化炭素が使用されているそうです。


なぜ『ビールの縁側』は二酸化炭素ガス不要なの?


そういえば家庭用ビールサーバーは付属の炭酸ガスが必要だったりするけど、どうしてビールの縁側はいらないの?ーー

縁側さんのビールは炭酸ガス不要だから、炭酸が弱いんじゃないの?ーー


こちらは、ユーザーさんに聞かれることが大変多い質問です!
(力不足でちゃんとお伝えできていなくてすみません…!!)


これまでお話してきたように、ビールにとって空気(酸素)は大敵。
ですが、飲食店などでサーバーとしてグラスに注ぐためには押し出すための圧力としての気体(二酸化炭素)が必要。


ビールの縁側ではどうなっているの!??


ビールの縁側の樽型サーバーは、酸素はもちろん、その他ガスを通さない特殊な樹脂製のインナーバックと外側の樽型容器の二重構造となっています。


ビールは樹脂製のインナーバックに入っている状態なので、外の空気とは一切触れることがありません。
だから、押し出す際は二酸化炭素を使わなくても、ポンプから送り込まれる通常の空気の圧力でOKなんです。

さらに樹脂製のインナーバックの中に詰められたビールは真空となっているので、どれだけビールを注いでも酸素に触れることなく出来たての状態を永くキープすることができます。


ービールの縁側のクラフトビールは本当に美味しい!!

ー自宅でこんなクラフトビールが飲めるなんて!!


サービスを利用していただいているユーザーさんにはこのように言っていただけることが多く、出来る限り余計な物を加えず、鮮度を落とさず、出来たてのビールの味を味わっていただきたい!と願っている運営メンバーとしては感謝しかありません。

これからもブルワリーさんが丹精込めてつくった、出来たて・つくりたてのクラフトビールの味をお届けできるように頑張ってまいります!!

※ちなみに二酸化炭素ガスはビールの炭酸付けのためではありませんので、炭酸の強さには影響がありません~!


居酒屋でよく見る『二酸化炭素』のボンベは炭酸付けのためじゃないんです!
▼ビールと炭酸のヒミツはこちらから


まとめ

今回はビールが劣化してしまう仕組みと皆さんのお手元に届くまで出来たてをキープしているヒミツをお届けしました!

クラフトビールは生き物を扱っているので、手間がかかったり、難しい課題にたくさん出会ったりしますが、だからこそ本当に美味しいビールとも出会うことが出来るんだ!
…と、とあるブルワーさんがおっしゃっていました。(完全な受け売り(笑))

もしかしたらビールなんて無くても生きていけるのかもしれないけど、人生の中に最っ高に美味しいビールがあるっていうだけで、普通の毎日が幸せに過ごせるような気がするのは私だけでしょうか?(笑)

毎日のちょっとした幸せ、もっとつくっていきたいなぁと思っているあっすーがお届けいたしました!


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