アメリカの仕事スタイル

今回はミシガンに限定した話ではなく、アメリカ全体に言えることじゃないかなと思っています。

ミシガンにきていくつかびっくりしたことや改めて感じたことを書きます。
なんというか、ざっくりいうと日本の方が圧倒的に仕事に対するやる気はあるし、スーパーなりスタバなり居酒屋なり、THE現場の効率は圧倒的に日本の方が良いと思います。
よく日本は労働生産性が悪いとか言われますが、労働生産性の定義からすればそうかもしれませんが、消費者としては圧倒的に日本の方が効率(厳密には能率)が良いです。

仕事の役割が決まりすぎ

アメリカだとレストランに行くと、大体入り口で受付だけする人が二人ぐらいいます。
この人たちは本当に受付しかしません。日本の居酒屋みたいに受付して、オーダー聞いて、ビール運んで、みたいなことは一切しません。絶対しません。
別にいいところでもなく、普通のアメリカンレストランとかでもなんなら日本食レストランでもそうです。

また、アメリカでは必ず自分のテーブルにサーバが一人だけアサインされます。
日本の居酒屋みたいに、すいませーん!っていうのは失礼です。
あくまでもこのアサインされたサーバが来るまで基本的には待ち続けます。
ビールを頼むのも、子供用のスプーンをお願いするのも、お会計をお願いするのも、全てこのサーバを待ちます。
これはミシガンだけかもしれませんが、レストランはどこも大箱なのでそもそもサーバが来ない。その癖オーダしたものが届いたあとはすぐやってきて、"How's everything going?"と聞いてきます。(チップ欲しいから)

日本の居酒屋ってマジですごい。

あと、スタバもすごい待つ。
日本だと数人並んでいても余程その人が何を頼むか迷わない限りそんなに待たないですが、数人並んでいたらホットコーヒーもらうまでに10分は平気で待ちます。
なんなら日本だとホットコーヒーを頼んで支払いを用意している間にホットコーヒーが提供されますが、こちらだと支払いも済むししかも数分は確実に待ちます。

最後。
仕事で自動車の旧Big3に行ったときのことです。
自社で開発したサンプルをその顧客の自動車に組み込んで評価しています。
サンプルとはいえ自動車の部品なのでボルトで蓋を閉めています。
顧客と一緒に評価しているときに中を見たくなってボルトを外したいと伝えたところ、できないと言われました。
労務安全上の理由かなと思いきや、エンジニアがボルトを外す行為はボルトなどを外す工員の仕事をエンジニアが奪うことになり、労働組合から怒られるからとのことでした。

日本と比較して本当に様々な人がいるので、みんなが社会で活躍できる機会が得られる、という点では良いのかもしれません。

すぐ無視するし謝らない

忙しくて自分の中で優先順位が低いとなると、すぐ無視します。
また都合が悪いと無視します。特に自分が悪いと無視する傾向があります。
ある種取捨選択ができていて良いのですが、忙しいことを主張してくるし逆ギレしてきます。
自分が客の立場だと相当に腹が立ちます。日本だとありえない。まず日本だと謝りますよね。。。

転職エージェントから連絡が来た際に、その連絡に対して答えがNoであってもこちらは真面目に返事しても、向こうはそのNoという返事に対して返事してきません。
合理的といえば合理的ですが、なんかそもそも失礼。
その癖、すぐアメリカは繋がりが大事なんだって言ってくるので、強い違和感を毎回持ちます。

意外と古臭い

育児と仕事の両立、COVID-19をきっかけにした在宅勤務など日本でもTwitterなり何なりで盛り上がっています。
これは少なくともミシガンも取り組みレベルとしては日本と同じだと感じています。
会社にはよりますが、少なくとも当社では育休はないし、Maternity leaveとして12週間あるだけです。
当社でいえば設計主体は日本なので、日本との打ち合わせが早朝や夜に頻繁にあるのですが、頭の硬い人がいるとそんなこと関係なく朝は決まった時間に出社しろ、と言ってきます。

在宅勤務 vs. 出社はどちらもメリットデメリットがあるのでどっちがいいと言うつもりは全くないですが、個を大事にするアメリカでもそこはあまり決着ついていないんだなって感じです。

役所仕事ですら人によって言うことが違う

Social Security Number(SSN)と言う、日本のマイナンバーカードに近いものがアメリカにはあります。
銀行開設したり、州によっては免許証取得のために必要ですが、これを取得するために必要な資料が、そのとき窓口にいて対応してくれた人によって変わります。
例えば、配偶者がSSNを取得しようとした際に、Aさんの配偶者は婚姻証明書を求められたが、Bさんの配偶者は何も言われなかったとか。
なんならAさんの配偶者が婚姻証明書を用意して同じところに行ったところ、窓口の人が違ったようで婚姻証明書が必要だとは一言も言われなかったとか。

すぐアメフトの話をする

問い合わせに対してちゃんと回答していたり(つまり無視しない)、目標を達成していれば仕事の時間をどうしていたっていいのですが、すぐアメフトの話で盛り上がるし、アメフトを業務中に見ている人が当社にはいます。
他社は知りません。

とはいえすごい人が確実に活躍できる土壌があるのかも

ということで半分以上文句でしたが、それでもInnovationが起きているのはアメリカだし、今僕が一生懸命世の中に送り出そうとしている技術もアメリカ向けです。
基本的には様々な点において日本の方が効率的だと感じます。
つまり中央値的には日本の方が優れているなあと。

でもなんだかんだで変化しているのはアメリカだし、昨今において何かを生み出しているのはアメリカだし、世界を牛耳っているのはアメリカだし、USAがすごいのは事実です。
これはやはり上の人がより一層活躍できる場があるからなのかな。。。と思います。

残念ながら僕自身はそんな場にいないのでものっすごい人に会ったことはないですが、僕が関わっているV2G AC committeeでは日本ではあり得ないぐらいにお互いを否定しあっています。
最近何かでI don't knowと言うのは失礼みたいな投稿を見ましたが、そんなことは一ミリもありません。
このcommitteeではI don't understandとか平気で言ってくるし(複数回言われたし)、自分が知らなかったことをI didn't knowとはっきり言った上でその知った内容に対して批判をするし、側から見てると激しいですが、今はいまいちな内容が多かったとしても具体的なものが出来上がっています。
これは日本ではないことだなと思います。

ただ、誤解がないようにあえて書きますが、アメリカであっても社内政治はあるので、アメリカに転勤なり転職なりなんなりすれば会社で一番めんどくさい(と僕は思う)社内政治がなくなる!なんてことはないです。
上司が何人であろうが結局人であることは間違いないので、日本で苦労することはこっちでも苦労するのだと僕は思っています。

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