逆子が治った方法


はじめに

初産で逆子になってみて、ネットとリアルの両方から情報収集をした結果自分で取捨選択するって経験をして、妊婦ならではの学びがあったから書き残したいと思う。

まずは当時の私のスペックを紹介するね。


・32w
・初産
・子宮の形態異常なし
・切迫歴、合併症なし
・羊水量正常
・休職中
・運動量 7000〜8000歩/日

逆子になった時の状況

逆子が判明するとどうなるか

検診が追加になったり、医師から帝王切開のスケジュールを説明されたり、逆子整体の予約を取らされたりと、イレギュラーな動きが増えた。

いきなり周りが騒がしくなることで「逆子ってそんなにヤバいことなの!?」と焦った。


意外なストレス


特にダメージを受けたのは逆子鍼灸でのことだった。
逆子体操、お灸、そのほか筋トレを教わったのだけど、それらのエビデンスは確立されていないことも多いと知り、一体何を頼みにこの一連の儀式を続ければ良いのか。身体を動かすのは楽しいし、教わるのも楽しいけれど、これを毎日のお供として孤独に継続しなきゃいけないのが結構辛かった。ストレスとか、赤ちゃんからのシグナルだとか、そういうボンヤリしたものも苦手で、余計にきつかった。大体逆子って原因もわからないのにどうやってハックするんだ?

しかも、教わった骨盤底筋のトレーニングはやるとお腹が張ることが続いていた。後日医師に確認すると「お腹が張るならやらない方がいいかも、お腹が張るイベントが続いてる時もやらないで」とのことだった。
お腹が張るデメリットってあんまり詳しく知ってるわけではないんだけど、切迫早産になった人の話を聞くとお腹の張りを放置したらある時お腹がカチカチに硬くなって病院に行ったというエピソードが共通していたから、なんとなくお腹が張ることは避けた方がいいんだろうと思っていた。

ということで、せっかく教わった骨盤底筋トレーニングはお腹が張って自己中断した。
そのほかにも色々教わったけど、そりゃ運動しなくていい理由はないし、お灸もそれなりに効果があるんだろうし、やった方がいいに決まってるんだけど、これでいい方向に向かっている確信も持てず、これらの目的は?どういう経緯で逆子が治るの?というところがぼんやりしていて、私はやる気になれなかった。

何度か鍼灸に通ううち、言われたことは素直に出来ないし、鍼灸師さんの「やることはやったと思えることが大事ですよ!」との励ましも、「とりあえず言われたことはやってもらわないと…」と呆れられているように聞こえた。

言われたままひたむきに努力できる人っているけど、私はある程度納得できる仮説がないと無理だ。
例えば、ある人に「ヨーグルトは身体にいいから毎日食べなさいね!」と言われたら、それだけでも私はイラっとしてしまうタイプ。

「どういう機序で?なにを狙ってるの?他の方法はないの?」と、不確かな情報で他人の行動について干渉してくるのにすごく図々しさを覚える。

でも、今回の課題は逆子対策であり、周産期の私と息子のためには特に重大な合併症でもない、要はくるっと回っちゃえば良い逆子なんてもののせいで帝王切開になるのは避けたい。でもやる気は出ない。
そういう
葛藤のせいで、なんともストレスの溜まる時期だった。


前提として知っておきたいこと

逆子について自分でもざっと調べた。
大体はいつの間にか治るし、聞くところによれば逆に直前に逆子になって帝王切開になる人もいるらしい。
バリエーションは様々すぎて、一個一個気にしてもしょうがない。

前述の医師からの説明だって、医師は事前に説明するのが仕事だし別に重大なことではないのかもしれないと思うようになった。

結局、翌週逆子チェックの臨時健診を受けても、逆子は治っていなかった。
でも、そもそも逆子体操の格好のまま寝ると翌朝頭位に治ってることもあって、これをきっかけにこんな簡単に治るならあんまり気にしなくても大丈夫なんじゃないか?と思うようになった。


全力オススメ、逆子で不安にならないためにやった方がいいこと

一番は次の健診までの期間、逆子なのか逆子じゃないのかをブラックボックスにしないこと。
つまり、自分で触診をして常に逆子なのか、逆子が治るとしたらどんなタイミングなのかを知ることだ。

私は理学療法士だから元々触診に抵抗がない方かもしれない。触ればそこにあるのだから、触診さえできれば日々の違いを自分で把握できるようになる。

方法はYouTubeで勉強した。
はじめは仰向けで内臓が重力で下に落ちたくらいの方が胎児だけを触り分けやすいと思う。

コツとしては、指を立てないで大体を手掌面または基節骨あたりで触ること。ギューギューするというよりは手のひらを優しく押し当てるような感覚。ここは時間をかけていい。すると、ひとかたまりの大きなパーツが大体2つ見つかるから、それがお尻か頭。
明らかにゴツゴツと硬さを感じるのが頭。硬さを確かめる時だけは指腹を押し当てた方がわかりやすいかも。

そのうち慣れてくると座位、立位など抗重力位でも逆子かどうかわかるようになる。ゴツゴツが触れなかったら骨盤の中に頭がスポッと入った頭位の状態。ちなみに検診で逆子が治った後も、寝た姿勢だとそもそも胎児の位置が子宮内でも上寄りで、かつあっさり逆子になってることが多かった。


その他最低限毎日やっていたこと

ここまでで私は、お腹が張ると胎動が少なくなるような気がしていたから、お腹が張る瞬間をできるだけ少なくして、胎児が動けるタイミングとスペースを確保することを念頭に作戦を立てていた。

この項目で共通しているのは、空調の中でも夜中冷やさないことで、これらは最低限やってたよ。

私は元々ジメジメした日本の夏がかなり苦手で、そんな中で汗をかくのがかなり不快なタイプだったから夜は空調をかけて寝ていたんだけど、これが原因なのか早朝起きるとお腹が張っていることが多かった。

特に起きた時ちょっと空気が冷えすぎたと感じた時はお腹や下半身の冷えに加え、断続的なお腹の張りも増えていたから、特に無意識で冷やしがちな夜は身体の保温に注意を払った方がいいのかなと思うようになった…という経緯だったはず。

①腹巻き

ちょこちょこ助産師さんから勧められてはいたけど、具体的なメリットはわからないしおばさんみたいでやだ…と思って使ってなかったんだけど、母親学級のとき、助産師さんが「経験則でしかないけど、身体が温かい妊婦さんは安産で産後の回復も良かった。」と話して下さったのに痺れて意を決して始めたら、その日から胎動が増えた気がして続けてる。

寝る時ははだけるから腹巻きパンツ、日中は腹巻。適当に買った薄いリブ素材のやつがすぐ乾くしモコモコが最低限なので意外と使い勝手が良い。

②レギンス

下半身は冷えやすいし、別に履いても温かくはならないんだけど、履かないと朝起きた時にお腹がカチカチに張ってしまうため止むを得ず下半身の保温目的で履いてる。
むしろ下半身が温かい人っているの???

(ちなみに34wの今はちょっと違う。継続のおかげかホルモンのおかげかわからないけど、内ももは冷たいままなのに太ももの外側は温かくなってきた。こんなに温かいの、少なくとも意識してる間は初。)

アカチャンホンポとかの綿素材のマタニティレギンスも試してみたけど、痒くて特に夜は無意識に脱いでしまうこと多々で、夜はヒートテックのマタニティレギンスを愛用してる。これ以外は痒くて一晩履いていられない。日中はエアリズムの方を使ってる。どっちもすぐ乾くから好き。レギンスも腹巻きも2枚ずつをローテで済んでる。

ちなみに腹巻とレギンスの併用はそれなりにモコモコする。レギンスは腹巻きの上に履いていて、腹巻きの余った上部分を折り返して履くと、腹巻きのヨレがまだマシなので気に入ってる。

③空調と掛け布団

レギンスだけでも十分だけど、今はこれプラス空調と掛け布団の調整もした。
空調なしや切タイマー、冬用の羽毛布団など色々試したけど流石に汗ぐっしょりだったので、弱めの冷房or除湿(違いがよくわからないから気分で使い分け)と無印のサッカー織り薄掛けふとんというのを愛用してる。
近くにニトリの2枚合わせ毛布を置いて寒ければ足元にかける。

ちなみに布団のサイズはマットレスがセミダブルサイズなのに対し、掛け布団はダブルサイズ。
寝相が悪いのでこれを身体に巻き付けるようにして寝ると朝までお腹が守られている。これくらいが安心。

④お灸

病院で紹介された鍼灸師さんに教わって寝る前にやってた。
三陰交と行間?太衝など。多少文献を漁って至陰も加えて結局片側4箇所ずつ。

文献ざっと見たところ、お灸、マジで効く!とは言えないけど、もしやるなら早めに始めて長く続けた方がいいっぽい感じはする。

考察読むと子宮周りの血流が増えるから胎動が増えて逆子が治ったのかなぁ、と書いてあるものも。
棒灸っていう、温かい棒を皮膚に触れないよう体表にかざすお灸だと効果なかったって文献も。私は置くタイプのを使ってた。

せんねん灸の煙が出ないタイプのを使ってた。ソフトで十分温かい。ちなみにあるときレギュラーに変えて、やたら熱いなぁと思ったら見事に火傷した。

ストレスがなければ、おまじない程度にやってもいいもの

気にしなくてもいいんじゃないか?と思いつつ、逆子だった期間は2週間もあったので色々やってみたから、その中でも良かったものを書いてみる。

一番重視したのはお腹が張る瞬間を出来るだけ少なくすること。以下の方法は、なんかこれをやると胎動が活発になった!…気がする笑、と思ったものの中から
不快じゃないし、なんなら気持ちいいから続けられたものだよ!


⑤座位での骨盤前傾姿勢

理由はわからないけど鍼灸師に勧められたのと、骨盤後傾位よりも赤ちゃんが動きやすい?みたいなのを見かけたから実践してた。
クッションを使えば無意識に骨盤前傾促せてストレスフリーだった。

百均の長方形の二つ折りクッションを折ったまま座面に置いて、ちょうど2つの坐骨がクッションから落ちたくらいの位置に座ると、お尻のお肉ごとキュッと引っ張られていい感じに骨盤前傾が促されて気に入ってた。
骨盤前傾を促す方法としては、クッションじゃなくてタオルを巻いたのを敷くって方法がよく紹介されるけど、タオルみたいにふわふわしない、硬めのスポンジのクッションの方がうまくお尻のお肉が引っかかるから好きだな。

⑥小豆パット

会陰を温めるのに目元用の小豆パットがぴったりだった。

ちょっとお腹が冷えてる時、お守り程度にお股に挟んで寝るとサイズがちょうどいいし、意外と温まるだけでも気持ちいい。レギンスの中に入れてた。リラクゼーションとしてもおすすめだし、なんとなく胎動が増える気もする。

似たようなのとして、座る時カイロをお尻の下に敷くのを助産師さんに教えてもらった。下半身はどうしても冷えてたんだけど、夏の妊婦に流石にカイロ貼りはキツくて、低温タイプのカイロでも無理だった。

でも、貼るんじゃなくて適宜お尻の下に置くのは良かったよ。

⑦腹八分目

物理的に子宮を圧迫しないことも必要かなと思う。
パンパンになるまで食べた後って、気のせいかもしれないけど胎動がしばらく落ち着いちゃう気がした。

⑧湯船に浸かる

湯船に浸かると胎動が増えることに気がついて始めた。38℃の不快じゃないくらいのお湯に長めに浸かって親子間交流を楽しんでたよ。
うちのお風呂は窓が開くんだけど、ひんやりすると交感神経優位になってリラックス出来なくなるから同じような人は窓を閉めた方がいいかもしれない。

最近は特に入浴中に胎動が増えるとは感じないんだけど、もしかしたら身体が重くて窓の開け閉めが億劫になっちゃって窓を開けっぱなしなのと、お風呂の温度を37℃に下げてて結構ぬるいのが原因かも笑。(逆子治ったら研究モチベ下がってそのままになっている)

⑨整体

地元のマタニティウェルカム!産後も来てね!みたいな整体に通ってた。子宮のスペースを空ける、体幹の左右差をなくす、っていうのが逆子治療の基本的な考え方らしい。整体の後に逆子が治ったりはしなかったんだけど、YouTubeとか見ると逆子体操を一緒にやるような丁寧めな整体もあるみたいだし、そういうのも良さそう。

中学生からMAX月10万、鍼灸や整体にはお金をかけてきてるんだけど、選ぶコツはまずは通えないと意味ないから通いやすさベースで、個人的には先生が1人または少人数でやっていて、ホームページ(SNSを除く。ホームページは制作にお金かければいくらでも綺麗になる、維持費もかかってる)が綺麗すぎないところが、余計な経費をかけてなくて技術レベルが担保されやすい気がしている。

通える距離の賑わってる街で、街歩きして探すのもオススメ!雰囲気もわかるし。

⑩冷房の風を避ける

またふんわりとした仮説の域を出ないけど、腹巻きやレギンスの話が出た時、可愛くないし色気はないし、どうしてもしたくなくて妊婦が冷やしちゃいけない理由について鬼調べていたとき、自律神経で説明しているのをどこかで読んだ。

ヒヤッとすると交感神経優位(自律神経の乱れ)の状態になるから、、みたいな感じ。

確かに交感神経優位になれば血管は収縮するから子宮血流量も下がりそうではある。

実際冷たい風が直接当たってひんやりするなと感じた時はお腹の張りを感じることが多かったから、電車は弱冷房車、自宅では空調の風向を上にしたり下にしたり、風量は一番低くして適宜温度を調整してた。

やってみたけど多分やっちゃだめなこと

そんなに気にしなくても自然に戻るんじゃね?と薄々思い始めた一方、逆子だった検診の前日に2回とも、ダメ押しでやってみたことがあった。

それは、外回転術の発想で、体表から胎児を移動させようとすること。
そもそも外回転術って早期剥離やへその緒が絡まるリスクがあるから正期産ごろにしかやらない危険な手技で、エコーで観察しながら体表から逆子を修正するものだけど、ソフトにできないものかなと思って自分なりに考えた。

人間の重心は仙骨にあるから、胎児のお尻のあたりに手の平を引っ掛けるように添えた後、手の平がお尻を通過するように滑らせるのを繰り返した。
要はお尻を無理にグイグイ動かすのではなくて、「こっち側に行ってほしいな〜」と刺激を加える感じ。

促した側に動く感触はあったんだけど、やった後お腹の張りが誘発される感じがあった。特に2回目にやった時は30分くらい断続的にではあるけど張りが止まらなくて怖い思いをした。結局その日に逆子は治ってたんだけど、それからは二度とやってない。


色々試した結果、逆子に対する私の仮説

帝王切開の不安を解消するために色々試してみたけど、実際横になるとよく逆子になってるし、産む直前に逆子になる人もいるんだし、こんなに簡単にくるくるしちゃうならあんまり神経質にならなくてもいいかな、と思うようになった。

最低限押さえておくべきは、そもそも胎児が動けるスペースが物理的に確保されていて、胎動があることだと思う。

最終的な私のざっくりとした仮説としては、ある程度大きくなれば子宮内での相対的な位置も下がるし、頭が一番重いんだから、子宮にスペースがあって胎動も十分ある前提であれば抗重力位(立位、座位)さえ定期的にとっていれば自然と戻るのでは?というところに落ち着いた。

その仮説にたどり着いた理由のひとつとして、私が逆子になった時はちょうど胎動が少なくなってきたときで、胎動の「10カウント」で5分→20分に大分減ってた時だった。今は5分以下にまた戻ってる。


やたら温めなきゃいけない理由としては、胎動の確保のためにお腹の張り(①ヒヤっとすることで交感神経を働かせ血管収縮→組織の緊張を招かない、②温かくして血管拡張を促し組織を緊張させない)を避けるためと解釈した。


具体的な方法としては、骨盤前傾姿勢や腹8分目で物理的なスペースを確保しつつ、子宮周囲の血流を増やして胎動を増やすためにお灸や腹巻、レギンスを併用して保温し、汗で冷えたら下着を変えて、ひんやりする瞬間を作らないようにした。

これらは毎日完璧にやるんじゃなくて、出来るやつだけやった。最低限に収めたいなら①〜③だけでもいいと思う。長時間冷やさないのは、お腹の張り対策としては大事な気がする。

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