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luckin coffeeのUIと最近の中国アプリのUIの特徴を紹介

先日luckin coffeeの不正騒動についてのnoteを書いたのですが、たくさんのアクセスがありました。

日本でもたくさんの人が注目していたということでしょうか。luckin coffeeはコーヒー企業としてはイマイチでしたが、テック企業として評価されていて、彼らのアプリを使ったOMOサービスは良くできていたと思います。

今日はluckin coffeeのUIなどに代表される最近の中国アプリUIの特徴を紹介します。

■LuckinのUIについて

TOPページ(左)には「现在买单(今すぐ注文)」というモジュールがあり、クリックすると商品を選ぶ画面(右)に切り替わります。

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(右図の)注文画面の青い「+ボタン」をクリックすると商品の詳細(甘さや味の細かい指定)を選ぶ 
→ それをカートに入れる
→ 決済画面にいってオンラインPay(WeChatなど)
→ デリバリしてもらうか店舗で受け取る
の流れになります。

この注文画面のUI、中国で本当によく見ます。もともとはデリバリー系のアプリの「饿了么(ウーラマ)」や「美团(メイトゥアン)」で採用されていたのが始まりと言われています。

そして今や飲食店でもこのUIを度々見ます。中国レストランの中には席に付いてるQRコードを(WeChatなどで)スキャンすると、メニューと注文画面を呼び出せて、店員さんを呼ばずに注文することもできます。日本の居酒屋の注文タブレットを自分のスマホで操作するようなイメージですね。

なので、このUIのものが一般的なのでLuckinのにも違和感は感じないのですが、「このTOP画面いるの?」とはいつも疑問に思ってました。コーヒーの注文にしか使わないのに毎回TOP画面を開くの面倒なんですけど、と。

これはネット民からも指摘を受けています。「注文画面の前にTOP画面のワンクッションいらないでしょ、ここで離脱してるユーザーがたくさんいるよね」と指摘されています。

■TOP画面の役割とはいったい?

TOP画面って考え方が難しいと思います。個人的には、たくさんの異なるサービスや機能が網羅された、いわゆるスーパーアプリではTOPの役割は重要かなと感じています。例えば中国のデリバリーアプリ大手の「美团(meituan)」はこんな感じ↓

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出前を頼むサービス用のはずが、ホテルや新幹線を予約できたりタクシー呼べたりオンラインペイできたり...と、もはやなんでもあり。

各サービス(機能)のアイコンをクリックすると、それぞれのサービスに最適化された画面(タブ)に遷移する仕様です。日本のYahooアプリに近いと思います。

ちなみに中国のUIがなぜごちゃごちゃしてるかについては以前にnoteで紹介しましたね

■決済がアプリに組み込まれている

複数の性質が異なるサービスや機能が盛り込まれたスーパーアプリは、日本でもYahooアプリなどは中国のそれに近い印象。

でも、中国アプリの特徴は、どんなアプリでも決済ツールを簡単に呼び出すためのツールがユーザーが使いやすい場所に用意されていることです。

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右上にアクションボタンが設置されていて、QRコードのスキャンや友人(支払い相手)の追加が簡単にできるようになっています。チャットアプリのWeChatなども、もちろんこれは同様。

■支払いシーンが計算されてる

そして支払いの遷移にもとても注意が払われているようです。決済のために他Paymentのサービスを呼び出したり画面遷移したとしても、できる限りそこでの離脱を防ぐように設計されている。

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これは「美团」アプリの支払いのUI。支払いをどれで行うかのところも入念に考えられた順番でのUIになっている。さらに、ユーザが決済を完了した後にお得な値引きサービスの提案を行い、ポップアップを流用していたって自然にユーザに契約を促しています。なるほど。。

■注目ページへのトラフィックの集め方

これはおまけで紹介。ここ数年の中国のアプリでよくあるのですが、注目イベントやキャンペーンなんかを開催するときに、FAB(フローティングアクションボタン)を使って誘導してきます。

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右下のFABをクリックすると、対応するアクティビティのインターフェイスにジャンプします。上のキャプチャは「美团」のセールページへの遷移。ユーザー的にはちょっとうざいですが、多くのサービスで行われていて中国ネット民は慣れています。

CTRを上げる(反応率をあげる)ために、いろいろなアニメーションを入れてユーザーを惹きつけ、ユーザーがアクションボタンを発見してクリックしてコンバージョンを得るように促してきます。

このようなのは、日本アプリではゲームなんかではよく見ますが他のアプリではあまり目にしませんね。日本の多くはユーザー体験のプライオリティを上げることが最も利益になると考えているのでしょうかね。

と、なんだか自分の整理のために書いた文章になってしまいましたが、いろんな国のUIからその国の文化やユーザー心理を考えるのは面白いです。もし面白いと思っていただけたら、もう少し詳しく紹介したいなぁと思います。

(参考資料)

https://wemp.app/posts/a9fe30a0-0234-4c0f-9b51-1fd2b9377f86

https://wemp.app/posts/0d512ff9-d6ac-4301-945f-8a5dfb7ec207


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