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日本は子供に冷たい国でした

「保育園落ちた日本死ね!」
の叫びを受けてすったもんだの挙句、やっと保育所の待機児童解消に乗り出した政府…はまだ一部の人の記憶には新しいところかと思います

保育所にも幼稚園にも通っていない児童(「無縁」とかけて「無園児」)は著者推定で約9.5万人。

複雑な入園申請に親がついていけず諦める、親が必要性を感じていない…
3歳児神話(学説上の根拠ナシ)やら「子供は親が育てるべきものである」などの根強い意識も一つのカベ。

外国人家庭、何らかの障害がある、医療ケアが必要、などの特別な配慮が必要なケースも多く、自治体も予算不足で「加配(対応用の追加人員)」できず。

巻末には著者と無園児の名付け親の駒崎氏との対談もあり、
幼児教育の義務化はどうかとか、幼児教育の質を(監査ではなく)国際的基準でアセスメントできる制度(英Ofsted)が欲しいとか、もろもろ議論してました

以上が紹介、以下は感想

民主主義制度って、基本的には多数決だから、少数派の悩みを無視しがちになります
政治家も票田が必要な中で(何やら怪しい団体も含め)、「細かいとこ」までは見てらんないし、保育の無償化も、大多数にリーチしたからとりあえずオッケーかな、みたいな感じになっていそうです
社会に遠慮して「孤育て」しちゃうような人は、そもそも政治家にならないだろうし政治家に声を上げるパワーもない

…ということは、著者のように、少数派の実態を、政治や社会に伝わる言葉で発信して、多数の注目と共感を得なければ、何も始まらないし動かない

本件は幸いマスコミにも受けたようで、徐々に認知も広がり、国も対策に乗り出したようです(まずは実態調査すると、2022年8月16日付けニュースがちらほらと)

また、駒崎氏は内閣府の会議の委員でもあるらしいので、その場で良い提言をしてもらえればと期待します。竹中平蔵以降、政府の会議って「売らんかなゴリ押し」の人もいたりするので気をつけないとではあるのですが…

ということで、
来年4月には「こども家庭庁」もできますし、これからの期待を込めてタイトルを過去形にしてみました^ ^

追伸:「子供は家庭で育てないと」って感覚、根強い意識である意味「信仰」に近いなと感じます。こども家庭庁って名称にも既に顔を出していて…まぁ、とりあえず一歩踏み出した局面だから今は見守り(笑)
…って、そういや例の怪しい団体も家庭を看板に掲げてましたねぇ、やっぱ「信仰」⁉︎

追伸の追伸:保育士の絶対的/慢性的不足は常に言われていますが、資格者人数よりも就業者数が少ないんですよね〜
周りを見ても、勤務条件は悪いし絶対的に体力や注意力は必要だからトシ取るとキビシイなと感じるし、
数年働いたらフルタイムからステップダウンだなとか、ちょっとお休みしてみたらもう戻れなくなっちゃって、テヘペロ、とか。
サラリーマンのように「一生の仕事」としてフルタイム全うする人は少ない世界だな、と感じます…あ、正規のリーマンももう減ってきてんのか…時代が保育業界に追いついた⁉︎ 笑えない〜…

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