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    ここは何をするとこなのか。

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光ってる人ズ

「凸凹さんには突出した何かがあるってよく言うじゃないですか、あれってどう思いますか?」 私は日々、突然質問しては誰もを困らす星の人だが、このときは聞いてから、しまった!と思ったし、代表の奥さんは私をぎゅっと見て言葉を探していた。 なんとなく、初めてされた質問じゃないんじゃないかという気もした。 「そうね、キラリと光るものって凸凹さんに限らずあらゆる人にね…それはもちろん、定形の人にもあるのよ。 そんな中で、できない事にばかり注目されがちな彼らだから、なおさら目を向けてあげ

    • 親と仲裁と私

      近しい他人をやってると、親御さんから 「あの子がウチの子の導火線に火をつけないように見守っててもらえないかな?」とか、 「ウチの子泣いてる!どうにかして!」って相談される事がちまちまある。 相談してきた親御さんの子どもたちの加害行為に関しては、私は「子ども同士のこと」として見ながら、代表たちやスタッフさんに連携をして逐一話し合ってきた。話し合うためのパレットのような寛容がある。その場にいる時の私は「親」ではないからだ。 でもその寛容を、ほぼ現場にいない親御さんたちは見てい

      • ジャイアンもいらない

        冒険遊び場で関わっている子どもたちには、私が察しの悪い星人ということなどとっくにバレているが、それでもどうにかして「言葉の外で」伝えようとしてくるのがわかる。 ある子は、目力で。 ある子は、怒鳴り声で。 ある子は、暴言で。 ある子は、暴力で。 ある子は、無視で。 圧は簡単で便利だ。願望がすぐわかる。 ただ、以前も「ドラえもんはいらない」のページで書いたけど、「便利な人はいらない」ってことは身に染みてわかっているので、ごめんだけど察してやらない、ごめん、と思いながら、応え

        • 得意をのばせ、苦手は捨てろ

          たまに手や足が出る、脚が早い、鬼ごっこが苦手、授業内で文字を書かない、そしてとにかく明るく優しく活発な男児が、持ち帰りの粘土で「これ」をササッと作った。 1年といえば迷路よねー、と思って見ていたけれど、目を凝らしてみるとこれは外車の内部構造のようだった。 こういう子が得意なことだけで生きていけるようになればって思う。

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          3回!

          もう2年、飽きもせず毎日遊び場に通いつめるわが息子。 「代表に叱られた事って何回ある?」 と息子に問うと、「3回!」という。 まさかそんな訳はないのだが、記憶力の確かな息子が大真面目に「3回だよ」という。 昨日それを代表に伝えたところ、「ハッハ、めちゃくちゃ叱ってるんだけどねえ!」と肩を揺らして笑った。 「でもホラ、注意の仕方じゃない?叱られた!と思う強い言い方があるのよね」と代表の奥さん。 その言い方を、2年でたった3回しかしていないのに驚く。 「母さんには何回叱られ

          数字の色のこと

          私の娘は、「数字に色がついてる」と思う(特に授業中、ついそれを考えてしまう)星の人だ。 それがついさっき発覚したので、記録ついでに、思ってたことを書いておく。 「なぜ自閉症の人は、数字や文字に色を見出すのか」という話になる前に、私としては 「なぜ定形の人は、数字や文字に色をつけてしまうのか」 ってテーマで定形さんどうしが話し合ってほしいんだけど、定形さんは考えたこともなく、話題にもしないので、色彩豊かな現代で「困る」人が現実出ている…という話。 数字の情報の重さ、色の情報

          数字の色のこと

          撫でてもいい?

          「保護犬ちゃんと仲良くなりたい…」と、遊び場に出かける前に息子がひとりごちた。 遊び場に通って2年になるけど、こんなことは初かもしれない。 保護犬ちゃんと息子は、臆病で噛み癖吠え癖あり、こだわり強く甘えん坊、どこをとってもよく似ていて、ひそかに笑い種になっている。 性質が近く反発し合うのは野生の勘で分かるのか、端からお互い距離をとって、普段から近づきもしない。 とはいえ私が保護犬ちゃんをいつも気にしているので、親近感が芽生えたのかもしれない。 「保護犬ちゃん触ってもいい

          撫でてもいい?

          息子のひげ

          動物と縁のない人生を送るのだと思っていたが、縁は突然できるものらしい。代表のお宅には保護犬がおり、遊び場で気ままに振る舞う姿にやられてしまった。会うたび吠えられたが、絶対に仲良くなるぞと躍起になって毎日通った。 そのうち吠えられることが減り、おやつを受け取ってもらえることも増え、仲良くなれたかなと気にするうち、どこからか保護猫もやってきた。幸せなことに犬猫を観察できる機会が増えた。 見つめ続けてふと、猫にも犬にも、ひげがあることに気づいた。そしてそれは思ったより太く長い。

          息子のひげ

          ここにいるよ

          「発達障害」という言葉の「障害」の部分だけを見て、何か過大なショックを受ける人がいる。 発達障害を学ぶゼミの終わりに、同じ参加者さんから言われたことがある。 「障害って言葉、キツくないですか?」 でも言葉にはいつも、意味以上の意味は無い。 診断基準は「困り」だ。 本人が困っているかどうかがまずはいちばんの診断基準で、困りながらも名前のせいで放置するなら、そこにもなにか困りはあるんだろうと思う。 なんで勉強できないんだろうね、とよく言われた。「成績悪いけど、ノートは取れない

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          お母さんトンネルになる

          自閉症の人が見ている世界を学んでいる。 当事者としてはどの話もあるあるで面白いというのもあるが、主催者が定形寄りの人なので、比較解説して貰えるのがなにより有難い。 「普通はこうじゃん?」という曖昧は、健康な定形のみに優しい理論だと思う。 パズルが好きな子どもには、生活そのものをパズルのように分かりやすく。 文房具は赤、キッチンは緑、そんなふうに工夫する人もいると紹介されていた。 視覚に訴えかけて日々やりやすくするプログラムはティーチと呼ばれている。 よく登場するのは「お支

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          置き物

          ある日、「居場所」に寄付されてきた不気味な置き物に、代表が札をつけた。 「家族が絶対仲良くなる不思議なお守り 100円」 いや誰が買うんだよと爆笑してたら、息子が買った。 真面目な顔をしていた。

          ドラえもんはいらない

          小学生に「遊んでぇ」と誘われ、「手伝ってぇ」と頼まれ、声掛けてもらったことを嬉しく思いながらも断る。 そうして、「けち!」などと罵倒されたり叩かれたりを受け流す。そんな日々。 まだピンと来ていないけど、冒険遊び場は「遊んであげ場」ではないということと、「遊んでやらなくてもいい」んだと最近ようやく思えてきた。 それはまぁ、頼まれごとに応じた方が楽に決まってる。私を好きになってもらえるし、笑顔にしてやれるし、罵倒されずにすむ。 頼まれごとを断るのは、応じることの何万倍もの勇気

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          窓際のトットちゃんズ

          子どもの障害を気づきつつ見ないふりしてる親御さん、案外ものすごく多いんじゃないかと思う。調べたわけじゃないが生きててあまりにエンカウントするので、体感でそう思う。 話していて「うちの子こだわりが異常に強いのよ、アスペだったらやだなぁ」とか、「診断でADHDって出たけどよくわからない、障害とかだったらやだなぁ」とか、「私もあんなだったけど生きてこられたし、病院なんて大げさだと思ってて。そのまま育てるつもり」という言葉が飛び出した時の相手さんの表情を思い出そうとしても、地面しか

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          深夜感想

          遊郭編で驚いたのはこの台詞だった。 「俺は太れねぇんだよなぁ 妬ましいなぁ」 痩せてるのがステータスみたいな現代で、そんな台詞を言ってくれるキャラクターが現れるなんて思っておらず感動した。 もっともこれは悪役男性キャラが、ムキムキ男性キャラに向かって放った言葉だけど、それでも地上波でよくぞ言ってくれたと拍手を送った。 私はこれまで嫌ってほど「痩せすぎだよ」「うらやましい」「ちゃんと食べてる?」「太りなよ」…好き勝手言われてきて、複雑な気持ちをその都度抱えてきた。 別に、

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          ほとんど片想い

          恋を経由しないと、人間関係を築けないんじゃないか? 幼い頃からそう思い込んで生きてきたので、人生の長さで言えば、おそらくその辺の人よりたくさんの人を好きになってきたと思う。 そこに加えて、とにかくたくさんの人間に愛されないと命が危ないという恐れがハッキリあったので、私はいつも四方八方に媚びていた。 無意識の生存戦略だったと思う。 性別や年齢で対応を変えている場合ではなかったので、私としては満遍なく…のつもりだったが。 クラスメイト全員に好きと言っていても、異性の子には優し

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          宇宙人の今後

          たとえば、温厚な人たちの中に、私が入るとうまくいかない。ふざけ過ぎてしまったり、怒り過ぎてしまったり、自分ばかりが話し過ぎてしまったり、甘え過ぎてしまったり、いつも「度を超した」ことに気づけない。 私には「居場所クラッシャー」の素質が充分にあった。 たったひとことで怒りを買い、温厚だったクラス中の女の子から無視されてようやく思い知るのは、それまでどれほど我慢させてきたか。それまでどれだけの無神経な言動を許されていたのか。 以降、教室に入るときに動悸が早くなった。休み時間な

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