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サービス提供が終わった後にクレームを言われる件

先日、商業施設のテナントさん向けに、
「クレーム対応研修」にお邪魔しました。

事前のヒアリングと、
事後のアンケートを拝見して
改めて感じたことがあります。

それは、消費者、
つまりサービスをお金を払って買う側が
もう少し大人にならないと日本はおかしくなるぞという気持ちです。

もうすでにおかしくなっているのかも
知れませんが、たとえば


・半年前に買った洋服をやっぱり返品したい
・本を買って読んだら面白くないから返品したい
・一か月前に買った弁当が美味しくなかった


いやいや、それおかしいでしょ。
と言うクレームに現場が振り回されているというのです。


そこまで極端な話ではありませんが、
私が以前、サラリーマンをしていた頃の話です。

パッケージツアーに参加されたお客様から
帰国後、アンケートが届くのですが、
このアンケートはがきに、

「ホテルの部屋が寒かった。」
「お湯の出が悪かった。」

というようなクレーム(感想?)が結構な割合で書かれています。

いやいや、部屋が寒いならその場で言ってよね。
お湯も出ないと、それはもちろん大変だから
電話一本くれたら、その場で対応できるのに。

帰国後にアンケートに書かれても、
終わった旅をフィルムを巻き戻してやり直すことはできません。

私は今、自分で会社を創りましたから、
お客様には、

「いいですか、帰ってからあれこれ言われても、
旅はやり直せませんから、気になることがあれば
その場で言ってくださいね。

言わないということは、現状でオッケーと言うことです。
口に出さないと分かりませんから。

私は家族でもなければ霊媒師でもありませんから、
お客様の心のうちはわかりません。」

と厳しめにお伝えします。

その場で「これ、アカンで」と即、ダメだししてくれるのは
関西の方が多かった記憶があります。

関西の方は割とはっきりものをおっしゃる。
だからきついこともありますが、
後から言われるよりは百倍マシです。

黙って、修行僧のように何も言わず、
帰宅してから、しばらくたって、
いきなり本社に手紙が届くなんてこともありました。

えー、最後、握手して別れたのに。
人間不信になりかけたこともあります。

日本人はコミュニケーションを取るのが
あまり得意ではありませんから、
リアクションがとても少ない。

同調圧力が強い社会では、
余計なことを言うもんじゃないと学びます。

なら、そのまま飲み込んで終わりにしてくれたらいいのに、
何か月も経過してから言われるのではたまりません。

商業施設の現場では、レシートもない、
現物も残っていないようなケースでも
「納得できない」と粘られるケースが少なくないそうです。

日本の過剰なおもてなしは、現場を疲弊させます。

NO IS NO

アメリカ型の「あなた、何を言っても無駄ですよ」的な
きちんとしたスタンスを、時には取ることも必要ではないでしょうか。

日本が世界に誇るおもてなしも、
現場が疲弊して、笑顔も出ないようでは
自慢にもなにもなりません。

働いている人が幸せや誇りを感じることができない
おもてなしはおかしいと、
リーダーや管理職、経営陣が気が付く必要があります。

スタッフを守ってあげてください。

追伸
こういう話をすると、必ず
「でも、どうしようもないスタッフもいますよね」と言われますが、
どちらに軸足を置くかです。
どうしようもないスタッフもいるでしょう。
とはいえ、99%の真面目で熱心なスタッフを
ダメにしていいはずがありません。

高萩徳宗


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