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プログラミングの世界にまだ存在するブルーオーシャンの話【フリーランスコラム】

開発エンジニアが飽和してきたので次はインフラエンジニアが狙い目! みたいなnoteではもちろんありません。 

 Web開発エンジニアよりインフラエンジニアの方が稼げます! みたいなことを言って人を集めてる方がいらっしゃいますが、業界の母数が少なければ当然市場原理によって平均収入は上がります。よってインフラエンジニアがWeb開発エンジニア並みに増えれば収入の差は無くなります。経済の基本をお勉強した方がいいと思います。 

 また開発エンジニアとインフラエンジニアでは、車を作るかその車が走る道路を作るかほどの大きな作業内容の違いがあるので収入の違いだけで選択していいような問題ではそもそもありません。自分がどちらに適合しているのかを考えて決めましょう。 とはいえ、IT業界の全てがレッドオーシャンかといえば僕はそうは思っていません。結論から言うとこのnoteでお話しするのは、Pythonという海の話です。 

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これがあまり語られることのない、一部の方にとって不都合なデータです。Stack Overflowで投稿された質問数を言語別に並べたものです。英語圏のデータですが、2021年現在でPythonが圧倒的なシェアを誇っています。 問題は日本でのデータだ、と言う方もいらっしゃるでしょう。Wantedlyで日本におけるPython案件の数をキーワード検索で調べてみると、既にJavaとPHPを超えていることがわかります。 

 Python:913件 

 Ruby:926件 

 PHP:909件 

 Java:890件

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Wantedlyではスタートアップやベンチャーの募集が多い傾向があるので、もちろん日本企業全体を反映したデータとはいえません。しかしそれを考慮しても確実にPythonは、開発現場でのシェアを伸ばしているといえます。 具体的にはメルカリの出品画像認識機能に使われていたりします。ただしこれ以外の国内有名企業での採用はまだあまりないので、逆にいえばまだ芽が出ていないPythonプロジェクトには、既に普及しているサービスの開発よりも入り込みやすいといえます。 

 とはいえブルーオーシャンにはブルーオーシャンである理由があります。 その一つはPythonがシステム開発に使われる理由です。 

ユーザーの嗜好を学習して最適なコンテンツを出すことで便利なサービスとして有名なYouTubeやメルカリでは、Pythonはその機械学習ライブラリの豊富さから第一候補に選ばれます。しかし機械学習を十分に活かすには数学や統計学の知識がどうしても必要となり、これが参入障壁となってPythonの普及が他言語よりも抑えられていると自分は仮説を立てています。これは日本のデータサイエンティストが中々増えない理由でもあると思います。

これがプログラミングと言う戦国時代の中でPythonエンジニアが未だに飽和していない理由と考えます。僕は理系の大学院を出ていてデータの扱いには一日の長があったので、2年ほど前からここにポジションを取ることに決めました。

文系大学出身でも簡単にエンジニアになれるようになった今、理系出身のアドバンテージを活かすとしたらPythonは長期的に考えるなら心からおすすめできる選択肢です。

ここまで読んでもよくわからないと言う方はこう考えるといいかと思います。

Pythonという海は見渡す限り船の1つも見えないですが、まだまだ未開の島で溢れている自分で切り開く楽しさのある海です。時に孤独にもなりますが、まだ誰もたどり着いたことのない黄金都市に一番乗りできるかもしれません。

それに対してそれ以外の海は船だらけです。既にほとんどの島は探索し尽くされ、新しい発見はもう望めません。その代わり遭難して飢えそうになっても誰かがすぐに助けてくれます。

どちらが正解ということもないと思います。僕も適性のない人にPythonを勧めてまで不幸になって欲しくありません。

ただ僕はPythonの海で当分航海してますので、そちらに向かう人はそのうちどこかで会えるといいですね。

サポートは料理好きなのでの食材費にさせていただきます。