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【音楽雑記】#43 彩恵津子:キュートな声が印象的だったシティポップ。(1985年④)

彩恵津子(さい・えつこ)は、今でいうシティポップの流れの中で、1984年にデビューした女性シンガーだ。知ったきっかけは忘れたが、とにかくキュートな声が魅力的だった。

デビュー曲「Reach Out」は、織田哲郎の作曲で爽やかな良い曲だったし、同名のアルバムも悪くなかった。参加ミュージシャンも青山純、松原正樹、和田アキラ、斉藤ノブほか一流どころが参加していて力が入っていた。

翌1985年に、2ndアルバム「ALL I NEED」がリリースされた。今度はLA録音のウエストコーストサウンド。1stアルバムとは音の方向性が大きく変化。これも力が入っていたと思うし、いいアルバムだった。

加えて同年、NHKの朝ドラ「澪つくし」の主題歌も担当する。 この曲調はいかにも朝ドラなクラシカルなものだった。

1986年には「Delication」、「PASSIO」の2枚のアルバムをリリース。「PASSIO」は鳥山雄司のサウンド・プロデュース、凄腕ミュージシャンも多数参加。作詞家に康珍化。久保田利伸が作曲とデュエットソングも収録。これでもかというぐらい力が入っていた。

「ピグマリオン」はラテンテイストも入ったダンスナンバー。キュートなクリスタルヴォイスと激しめのリズムの対比もいい。スラップを交えたリズムギターのカッティングもシャキシャキして心地良い曲だ。

「永遠のモーニングムーン」は当時っぽい王道ブラコンのデュエットソング。デビュー直後ぐらいの久保田利伸も上手いし、曲もいい。
(1984年のホイットニー・ヒューストンのデュエットソング「Take Good Care Of My Heart」の影響は大きく、鈴木雅之・聖美「ロンリー・チャップリン」1987年も同様のテイストのヒット曲だ。)

声はいい、曲もいい、タイアップも仕込んだ、絶対売れさせようとしていたと思われるがなぜかブレイクするには至らなかった。
いろんな方向性を試行錯誤した結果、今思えば方向性が定まってきらなかったのかもしれない。

いずれにしても残した曲は素晴らしい。現時点ほとんどの曲が音楽配信されていないのは残念。何かが少し変わっていたら大有名アーティストになっていた筈のアーティストだと思う。

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