6. 持てるもの全てを置いてきた別府大分毎日マラソン(2024/2/4)

 今回は、先日参加した別府大分毎日マラソンの振り返り。

直前の練習の状況

 通常、フルの2週間前にハーフのレースに参加しているが、今回予定していたフロストバイトロードレースはまさかのDNS。
 朝から雨の中、会場の横田基地まで行ったものの、運営がめちゃくちゃでレースの体をなしていなかったため、トレーナーだけもらって帰宅。(詳細はRunnetの大会レポに譲ります)
 その日の午後、レースペースより少し遅めのハーフ走を信号で止まりながら実施。

 レース1週間前、刺激入れのため参加した5,000mのレース(トラック・非公認)では、18分34秒と昨年の別大前に出したベストに20秒以上及ばず。

 昨年12月と年明け1月は月間200キロ中盤で、これまでと同じぐらいの距離は踏めていたものの、スピードがこんな状況だったので、別大ではそこまで自分に期待していなかった。

別府に移動、前日受付

 昨年は福岡に空路で入り、別府に電車で移動したが、今回は空路で大分入り。マイレージで予約した都合上、受付時間ギリギリの便しか取れず。

 16:20大分空港到着時はあいにくの雨。
 受付は18時までで、空港から別府北浜まで高速バスに乗り、北浜で受付会場ビーコンプラザ行きのシャトルバスに乗り換えれば、間に合う予定だった。
 ただ、会場行きのシャトルバスは17:30までの運行となっていたところ、雨による渋滞の影響で、空港からのバスが北浜に着いたのは予定より10分以上遅れた17:35ごろ。
 わずかな期待を持って、走ってバスターミナルに向かうと、シャトルバスが待ってくれており、なんとか助かった。(間に合っていなければ、雨の中荷物を持って2キロ走るハメになっていた)
 このあたりはさすが伝統ある大会、参加者への配慮が、ここを含めいろんなところで随所に見られた。

 受付にはなんとか18時前に滑り込み。出展ブースは17時までとのことで店仕舞いしていたため、受付会場は人も少なくかなり寂しい状況だった。

参加賞Tシャツ前
参加賞Tシャツ後ろ

 ビーコンプラザからシャトルバスで別府駅に戻ると、次は夜メシ探し。。のつもりが、駅前の良さげな店は全て行列で、夜メシ難民に。
 結局、別府駅で柿の葉寿司とシフォンケーキというナゾの組み合わせを購入、炭水化物をチャージ。今回はまさかのホテル部屋メシに。

 ホテルは、受付開始直前に別府駅前のシーウェーブを予約。なぜか3ベッドの部屋を1人で使うことになったが(素泊まり10,500円)、温泉の大浴場があり、リラックスできたのはよかった。

 風呂に入った後は、モルテンの320(カフェインなし)を飲みながら、レース用のシャツにゼッケンをつけたり、テレビを見たりしながら、結局12時ごろ就寝。

当日スタートまで

 スタート4時間半前の7:30に起床。別大はスタートが正午なので、早起きしなくてよいのはありがたい。

 朝食は前日にコンビニで買っておいた、おにぎり2つ、みそ汁、冷たいチキン南蛮とどら焼き。
 モルテンの320を飲みながら食事を取った後、トイレを済ませ、シャワーを浴びて、ホテルを出るいつものルーティンどおり。
 ちなみに、今回初めてモルテン320のカフェイン入りを試してみた。朝起きてから最後まで眠くならなかったので、カフェインが効いたのか、それとも早起きしなくてよかったおかげなのかは不明。

 ホテルをチェックアウトした後、北浜のバス乗り場に10分ほど歩いて向かい、9:30別府北浜発のバスに乗車。(ちなみに、選手IDは確認されたが、ゼッケンナンバーは確認されなかった)

 うみたまごのスタート会場に到着したのは、たしか9:40ごろ。
 スタート地点の写真を撮って、グループ2の更衣室テントに移動。
 中に入ると前日の雨の影響?で床のビニールシートがところどころ濡れていたが、なんとか靴下を濡らさないようにして歩きながらストーブの近くを確保。
 
 スタートまではまだ2時間以上あったので、会場内をぶらぶら散歩しながら、1回目のトイレへ。

別府湾沿いのアップ場所
別府の湯けむり

 スタート75分前ぐらいから着替えてアップへ。ストレッチをした後1キロぐらいジョグ。
 その後最後のトイレ。20人ほど並んでいたが、そこまで待たなかった。

 そうこうしているうちに11:30に。荷物を預け、スタート待機場所で番号順に整列。
 11:45になり、みんな揃って待機場所からスタート位置へ移動。今回グループ2の一番後ろ(ギリギリ2時間55分ギリ)だったので、しばらく後ろに人がおらず寒かったが、少し待っているとグループ3の人たちが後ろに来たので、長時間風にさらされずに済んだ。
 整列時には防寒のビニールをかぶっていたが、スタート5分前ごろゴミの回収に来たタイミングで脱いで、戦闘態勢に。

スタート地点

レースの記憶

 今回の服装。
 上から、帽子は2021LAマラソン(アシックス)の黒キャップ、オークリーの調光サングラス(いつもどおり)、エルドレッソのノースリーブ、下はアシックスのハーフタイツ、タビオのレーシングランプロ。アームスリーブや手袋をしている人も結構いたが、自分はなくても問題なかった。
 靴は、年明けに買ったばかりのヴェイパーフライ3と悩んだが、まだ1回10キロ程度履いただけで、ハーフの距離すら試し履きできなかったので、今回はアンパイで2022/12の防府から履いているメタスピードエッジプラス(走行距離350キロほど)を着用。
 補給食は、前回Beyondで家に忘れたFlipbeltに、アミノサウルス2・3、モルテン100白・黒の計4つのジェルと塩タブ2コ、さらに念のためトップスピードを入れておいた。

 次に、今回の目標設定。
 直前の調整状況から、松:自己ベスト(2時間54分@2023/2別大)、竹:セカンドベスト(2時間57分@2022/12防府)、梅:サブ3に設定。走りながら身体の調子を見て、入りのペースを決めることに。

 正午にスタート。
 天候は曇り、雨は最後まで降らず。風も気になる程ではなかった。気温は10℃を下回るぐらいで走りやすかった。

 号砲からスタートラインまでは18秒。別大は完全に番号(=申請タイム)順に並ぶので、他の市民レースほどの混雑はなかった。
 スタートすると少し下りがあったが、意識せずに走ったキロ4分のペースをそこまでしんどく感じなかったので、とりあえずキロ4:00〜05で行けるところまで押してみることに決定。

 最初の5キロは20:26。スタート時の若干の混雑を含めても悪くないペース。
 8キロでアミノサウルスの2を摂取。最近のレースでは、だいたい8、16、24、32キロで補給しており(24、32がカフェイン入り)、今回も予定通り。
 
 5〜10キロのラップは20:11。10キロ亀川漁港折り返しの前後に多少のアップダウンはあったが、そこまでペースの変化はなくリズムよく走れた。
 ちなみに今回も、人の後ろに付いて走ることはほとんどなく、ほぼ自分のリズムで走った。風除けに使われたかどうかはわからないが、自分の走りに集中できていたので、あまり気にならなかった。

 折り返し後は、別府市街へ戻るにつれて徐々に沿道の応援も増える。引き続きリズムよく腰高フォームを意識して(映像を見たことがないのでわからないが、少なくとも自分ではその意識)15キロを通過。この5キロのラップは20:00ジャスト。まさかフルでこんなペースで走れる日が来るとは。
 まさかサブエガ??はないだろうと思いつつ、この辺りから自己ベストが見え始める。
 16キロでモルテン100の黒を補給。これも予定通り。

 次は20キロのうみたまご(スタート地点)まで、海沿いでバンクのあるクネクネした広い道をなるべく最短距離で走りながら、ここでもリズムを意識。風はほとんど感じずに走れた。
 15〜20キロのラップは20:04、ハーフはグロス1:25:26で通過。この時点で自己ベストは絶対出すと決意。後半少し上げればサブエガも、と気持ちに余裕を持ちながら走れた。
 かつてないペースで走りながらも、この時点で足の疲れはまだあまり感じていなかった。ハーフのレースはさておき(ただし、レースも自己ベストは1時間24分中盤)、練習でこんなペースで走ったこともなかったので、なぜここまで快調走れたのかは自分でも未だによくわからない。リズムと腰高意識、蹴らない走りの意識だけ。

 ハーフを過ぎ、後半は沿道が少ない箇所や、橋のアップダウンも少しあり、タフな展開になることを頭に置きつつ、前半のいいリズムのまま押し続けることに集中。

 24キロでアミノサウルスの3(エリートのカフェイン入り)を初めて補給。味はほとんど覚えていないが、違和感なく飲めたので、今後も勝負レースでは使えそう。
 同じリズムのまま25キロを通過。ラップは20:17。さすがにサブエガはムリ。。と切り替えつつ、徐々に重くなってきた感じの足をなるべく同じリズムで動かし続けることに集中。

 ここから35キロの折り返しまでは道が単調で、気持ちの面で厳しくなるが、大分駅近くの沿道は人が多かったのと、前から落ちてきた人を一人ずつ抜いていくことでメンタルをキープ。
 30キロのラップは20:06。なんとか落ちずに我慢していたが、少し出力を上げないとペースを保てなくなってきていた。

 32キロになり、残るモルテンの白を補給しようとFlipbeltを触ったところ。。。あれ??ない??
 どこかで落とした記憶もなく(Beyondでは落としたことに明確に気づいた)、頭の中が??マークになったが、ここで「念のため」入れておいたトップスピードを補給(個人的にはファインプレー)。エネルギーの補給はできなかったが、身体のスイッチは十分入ったと気持ちを切り替えた。

 30〜35キロは、それまでの5キロずつよりも長く感じた。足は重くなり、呼吸も少しずつ乱れ始めた。ラップは20:38。
 ここまで来たら絶対に自己ベストを出す!との思いで必死に足を動かす。この辺りからは時計を見る回数も増えた気がする。
 37キロぐらいで、それまでの大通りから細い道へ。この辺りの記憶はほとんどない。残り5kの表示が見えたあたりから、タイムの計算をし始め、足が攣ったりしなければベストが出そうであることは理解。
 とはいえ、この時点ではもう息も上がってきており、足もかなり重くなっていたので、とりあえず早くゴールしたい!ということで頭がいっぱいだった。

 40キロまでの5キロラップは21:01、サブ3ペースすら危うくなってきたが、残りあと2キロで、後はもう気持ちだけ。それまで40キロ走ってきた自分を裏切るな(某YouTubeで聞いた言葉)と自分に喝を入れながら、必死でゴールを目指す。(ここでもフォームの意識は崩さず)

 最後1キロの川沿いは沿道の声援も多く、ランナーにとってはかなり勇気をもらえると聞くが、今回はその余裕もなく「早く競技場来てくれ」という思いだけしかなかった。

 そしてようやく競技場へ。時計を見ると2時間51分!残り3キロぐらいで計算して53分台?と思っていたが、どうやら1分計算違いをしていたらしい。それだけ最後は必死だった。
 そのまま、最後のトラックでもあがいて、2時間52分台でゴール。

ゴール後

 ゴール後は、ボランティアの方からスポーツドリンクやタオルをもらい、競技場トラックの外側を逆方向に歩いて荷物がある体育館へ。
 帰りのバス、飛行機の時間もあったので、落ち着く間もなく、いつも通り足を攣りかけながら早々に着替え、大分駅行きのシャトルバス乗り場へ。
 本来であれば、温泉に入り地元の料理を食べてゆっくりしてから帰りたかったが、翌日は普通に仕事を入れていたため、すぐに帰宅の途へ就いた。

大分駅
大分空港

振り返り

 今回自己ベストを出せた要因は、①天候、②疲労抜き(ピーキング)をうまくできた、③スタート直後のペース設定の判断がよかった、④リズムとファームの意識を徹底、⑤シューズ選択、⑥体重コントロールあたりだと考えている。

  • ①天候。気温、風、日差し、どれを取っても絶好のコンディションだったと思う。晴れてキレイな別府湾を見れなかったのは残念だったが、それよりも暑さ、寒さ両方を感じずに最後まで気持ちよく走れたのは大きかった。

  • ②ピーキング。結果的に2週間前のハーフ全力走をしなかったこと、1週間前に5,000m全力走でいい具合に心肺に刺激を入れられたことが良かったのかもしれない。2週間前からはジョグの距離も少しずつ落として、なるべく疲労が残らないよう意識した。

  • ③スタート直後のペース設定。これは既に書いたとおりで、あくまで感覚でしかないので、ノウハウのようなものはうまく説明できないが、今回のように、その時の身体の調子をうまく察知して、その日のベストは何かをうまく探れたときは、いい結果が出ているように思う。(去年の別大やサロマ湖もそうだった)以前YouTubeで、その日に持っている力100%をゴールに向けて少しずつ使っていくイメージ、というのを聞いたことがあるが、その意識。調子がいいからといって欲張らないのが大事。

  • ④リズムとフォームの意識。これはここ2、3年ランニングの動画を見始めて学んだ。それまでは、キツくなればなるほど、重心の前で着地して後ろで蹴るような走り方になっており、ふくらはぎが太くなっていた(今でも同じタイム帯のランナーと比べると、足回りは全体的に太めではある)。腰高フォームや後ろ足の引き上げ、真下着地などを普段から意識していたら、頑張らなくても一定のペースを維持できるようになった。レース中も、特に疲れたときこそ、この意識を持つようにしている。レース中は、肩の力を抜いたり、両手を上にあげて腰高フォームを意識づけるような動作を、他の人よりもよくやっている気がする。

  • ⑤シューズ。前半をかつてないペースで走りながらも、後半最後までペースが激落ちせずに踏ん張れたのは、履き慣れたメタスピードエッジプラスのおかげだと思う。ナイキやアディオスプロなどと比べると硬めのクッションで、反発力は劣るようだが、沈み込みが少ない分、リズムで走りたい自分には合っているのかもしれない。一方で、せっかくヴェイパーフライ3も買ったので、これでもっと速く走ってみたい、という欲もないではないが。。

  • ⑥体重コントロール。今年1月からマウスピース矯正を始めたことで、仕事中のお菓子がゼロに。その結果、体重が2キロほど落ちた(=ほぼ目標体重)。1キロ減でフルが3分縮まると聞くが、昨年12月の防府と比べると2キロ減で7分短縮なので、あながち間違っていない気がする。前日夜メシ難民になったことで、結果的に食べ過ぎずに済んだ、という説もある。

 結果的には、目標タイムなどあまり欲を出さず、とりあえず今日持っている力を出し切ろうという姿勢で臨めたことで、自分の身体の調子や走りに集中できたことがよかった。
 狙ったレースがある人は、絶対にそこで結果を出さないといけないと自分でプレッシャーをかけてしまうが、自分はあくまで趣味でやっているだけなので、タイムは追いつつも自分を追い込み過ぎないのが、長く続いている、またたまに結果も出ているコツ?なのかもしれない。

 ということで、今年の別大の振り返りは以上。
 今シーズンはあと東京、ふくい桜、長野が残っているが、目標は。。考え中。

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