バカの花の咲く頃  ~「K」渾身のフィリピン地震リポート~

先日も書いたが「K」は自分の新入社員以来の報道配属同期。
あれはひとまず幼女連続殺人事件で逮捕起訴に至った時であったと思う。    Kは確か保険金殺人か何かで長足フィリピンにいた。

そこにおいてフィリピンでの地震である。
普段は茫洋としたKであるが、この時は素早かった。東京に電話をしてきて、夕方ニュースに生電話でリポートを入れるというのである。

自分は同期として、Kを応援しながらも、なぜかいつもよりきびきびとした能動的なKの動きに多少の不安を抱いていた。
以下、夕方ニュースでのキャスターと、現地フィリピンのホテルにいるKとのやり取りである。

キャスター
「Kさん、地震後、現地フィリピンの様子はどうですか?」
K
「私は今ホテルにおりますが、カーテンが閉まっているのでわかりません」
キャスター
「カーテンを開けて、そこから見える状況を教えてください」
K
「カーテンを閉めているので分かりません。
 以上、フィリピンからKがお伝えしました」

それきり電話は切れてしまった。

何がしたかったのか。

自分はKの入社同期である。

だからと言って、自分にはこのフィリピン地震生中継電話には何の責任も無い。

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