サンタクロースっているんでしょうか?

こんなタイトルの本を子供のころに読みました。
新聞社に手紙を送ることを提案した親御さん、それに回答する記者。
本の表紙のサンタクロースもクラシックな絵でとっても粋で夢のある回答だったように覚えている。

で、サンタクロースというのは本当にいるのかどうか。
私の初サンタクロースは今でも覚えている。

4歳と少し経った私には当時、サンタクロースという概念がなかった。
ある日、幼稚園で全員お遊戯室に集められた。
とても小さな園で1クラス20人いないくらい。
お遊戯でクラスごとに整列してみんなちょこんと床に座った。
全部のカーテンが閉められて、暗幕のような黒いカーテンだったので部屋の中は真っ暗。
そのとき不意にシャンシャンと鈴の音が聞こえた。
「あ!サンタクロースが来てくれたよ!!!」
と先生が突然言い出すと、お遊戯室のステージの袖から赤い服、赤い帽子を身に着けて異様に長い白い髭の男性が、白くて大きく膨れた袋を担いでやってきた。
園には男性の先生がいなかったのでまず、男性が出て来たことに驚いた。
そして詳しいセリフは忘れてしまったけれど、要はみんなイイコにしていたのでプレゼントを持ってきました、とそれらしきことを色々話してまたステージ袖に帰っていった。
私はそこで初めて、サンタクロースは子供にプレゼントをくれること、トナカイのソリに乗ってやってくることを知った。
またシャンシャンと鈴の音がした後に部屋のカーテンがすべて開けられて、先生が「クラスに帰ったらサンタさんからのプレゼントを配ります」と。
クラスに戻ると小さなお菓子の詰め合わせが1人1つ配られた。
友達の中には私より先駆けてサンタの存在を知ってる子たちも多くて、
今でも覚えているのが

オレさっきお庭にトナカイのソリ停まってるの見た!!!!


と、鼻息荒く話していた男の子。

そう言われましてもね…。
私、見ていたんです。

シャンシャンシャンシャンシャン・・・・・

サンタ登場の前に鳴った鈴の音源を。
そして見ていたのです。
カーテンが閉じられる直前、園庭に何も無かったことを。

4歳にしてサンタクロースがどういうものか察してしまっていた。
もちろん、枕元にプレゼントは来ていたけどきっと今の4歳の子供が持つのとは違うサンタクロースの概念を最初から持っていた。
”そういうコトにする行事”と最初から思っていたし、おもちゃを欲しがる子供じゃなかったしケーキを特別なものと思っていなかった(田舎なので不二家くらいしかない)ので、クリスマスに対してもサンタクロースに対してもあんまり思い入れはなく大人になってしまった。

そして大人になった今。
同世代にお子さんがいることが多くなり、サンタクロースが昔以上にリアルでファンタジーな存在になっている気がする。
だって、GoogleMapで現在地がわかるんだもの。
現地の写真まで添えられたりする。
わからないことは何でもGoogle先生に教えてもらう時代。
GoogleMapが言うことが真実なのだ。

これでいいのだ。

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