21歳 奥田聡

3回目。

21歳 奥田聡

はじめまして、こんにちは。
本日からここでアルバイトすることになりました、奥田聡です。大学はすぐそこのあの大学に通っていて、芸術学部デザイン学科です。バイトは初めてではありませんが、接客の仕事ははじめてなので、何かとご迷惑をおかけするかもしれませんが、できるだけ早く仕事を覚えるように頑張りたいです。デザイン学科では、主に写真を撮っています。風景の写真をよく撮ります。でも別に本気で写真家になれるとは思ってません。だからこそこういう接客の仕事がしたくなったんだと思います。デザインとはかけ離れた場所とか世界の方が広いのに、それを知ったかぶりするのがどうしてもできないというか。デザイン学科の人はセンスがあっておしゃれで、流行に敏感で、みたいなことは全然ないです。むしろそんなデザイン学科像に憧れて入学してくる人が多くて、そこに憧れてる分、いつまでたってもそこにはたどり着けてない人ばかりだと思います。まあこんなことをここで言っても仕方がありませんが。かくいう僕もその1人だと思います。一応写真を専門にしていますが、「専門」と言えるほどのこだわりも技術もありません。でもみんなそうなんです。そんなもんなんです。だから僕もそうなんです。大学に持っていくカメラも、壊れてもいいようなカメラを持って行って、黙々と単位を取る。普通の大学生です。でも、みんな人から秀でようとしてるのに、芸術学部というと何か期待されてしまうような感じがあるんです。撮った写真見せても「芸術のことはよくわかんないけど頑張って」とかよく言われたり、「俺はこうだったから、」とか「まだ若いし、」とか。なぜか諦めた人の何かまで背負わされた気分になる。自意識過剰かもしれないですけど、それってとてもずるいと思うんです。僕はその人が成し遂げられなかった借りを返すための人間ではありません。自分の満足は、自分で満足させてあげてください。一芸に秀でる、もっとも自分が秀でている自覚はないですけど、そのことは、かっこいいことでも憧れることでもなんでもなく、元々は人よりちょっとだけ好きなだけだったんです。それが、「芸術学部」とか「デザイン学科」とかいうカテゴリーに分けられるから、ちょっとだけ好きだったことが、一芸として見られてしまうだけなんです。ほんとだったら「旅行学部」とか「睡眠学科」とかのほうがよっぽど入りたいですよ。僕はみなさんと同じなんです。だから接客したいんです。キッチンでも。それで働いて、改めて思いたいんです。同じじゃないんだって。それから、また始めてみようと思うんです。ごめんなさい、何が言いたいんだって思いますよね。僕も思います。渦の中にいるんです。諦めと、夢と、現実と、理想と、努力と、才能と、限界がごちゃまぜになった自意識の渦の中に。ここまで言いたくなかったな。全部忘れてください。嘘です。よろしくお願いします。

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