両さんと競馬④(この話で株というものを学んだ。)
こち亀の競馬ネタを取り上げるシリーズ、4つ目の記事となります。
前回の記事はこちら。
左回りの山中競馬場で・・。
今日取り上げたいのは、49巻収録の「命の恩人・・・」というお話。
話は、実在する中山競馬場、ならぬ山中競馬場のレースシーンから始まります。
中山競馬場がモデルと思われる山中競馬場は、実際の中山とは違い「左回り」。コースの幅員が実際より狭めに描かれており、迫力を感じるシーンです。
両さん、この大穴が出たレースを見事に的中させます。
・・と、ここまでがこの回の競馬絡みのシーンです。
このあと、両さんは無事に大枚316万4千円を換金し、競馬友達といっぱいひっかけ、「それでもまだ300万円残っている。」と、ほくほく顔で帰路につきます。
300万円が3000万円に・・!
ほくほく顔で帰路につく両さん。しかしここからドラマはさらに展開。
両さん、通りがかった歩道橋で、今まさに橋の上から身を投げようとする中年に鉢合わせます。
慌てて駆け寄り、抱きかかえるように救い出し話を聞いてみると、自殺志願者は会社経営者でした。
会社が経営危機に陥り、手形が落とせず、身投げを図ったのでした。
そこまで話を聞いてしまっては、心根の優しい両さんは露骨にいやいやな素振りを見せつつも、300万円をその場で貸してしまいます。
しかし後日、経営危機を乗り切ったという経営者が派出所に現れ、両さんにお礼として"10倍"の3000万円の小切手を渡します。
株の仕組みを学びました。
3000万円の小切手をもらった両さん。
しかし、ここで上司の大原部長が投資アドバイザーよろしく、経営者に「この男は金の使い方を知らないので、3000万円はおたくの会社の株に充ててください。」とそのまま預けます。
両さんは中川に株の説明を受け、一度は「会社が成長すればお金が増える。」と喜ぶも、「暴落で損することもある。」と知り、疑心暗鬼に。
私は、小学生の時にこの話を読み、最初はピンとこなかった覚えがあります。
今思うと、なんとなくイメージは湧いたものの、いまいち会社の経営状況を反映するものとして株というものがあり、その価値は上下するもの、ということが飲み込めなかったのだと思います。
お話としては、このあと、疑心暗鬼の両さんは、結局すぐに株を現金に戻してしまいます。
またしても自殺志願者を助けるが・・。
3000万円を手にした直後、またまた会社が経営危機にある自殺志願者と鉢合わせとなり、またしても救出します。
そして両さん、「3000万円を貸していただければ100倍の30億円にしてみせます。」という男の言葉を信じ、そのまま3000万円を渡してしまいます。
ここまでくればオチは大体見えてきてしまいますが、3000万円は持ち逃げされてしまいます。
しかも踏んだり蹴ったりなのが、元々持っていた3000万円分の株は、会社の業績が跳ね上がったことにより、5倍の1億5000万円となっていたのに・・。というオチでした。
競馬関連のシーンは冒頭だけなのですが、直線のデッドヒートや、固唾を呑んでオッズの確定を待つシーンなど、非常に臨場感があります。
話としても、最初に300万円を貸すときは無欲だったため10倍のお金を得たのに、次に貸すときは下手に知恵をつけて強欲となっていたために大損してしまう、というのも、おとぎ話みたいでよくできている話だと思います。
しかしいち競馬ファンとしては、300万勝ち、いつか自分もやってみたい…と、そこが実はいちばん印象的だったりします。笑。
<おまけ>ゴキブリと両津
こちらは、「ゴキブリと両津」という、すごいタイトルの、単行本3巻に収録の話となります。この話にも、少しだけ競馬関連のシーンが出てきます。
残念ながら(?)、競馬絡みのシーンがこれだけなので、ひとつの記事として取り上げることは難しいので、おまけで紹介しました。
また競馬ネタを見たら記事にしたいと思います!
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