内容説明: 昨年母親を亡くした直樹に、高校の同窓会の案内が送られてきた。案内状に目を通しているうちに、かつて恋人だった陽子のことを思い出す。
直樹は複雑な心境を抱きながらも陽子との再会に期待を抱き、ホテルで開催される同窓会に参加することにした。
同窓会の終了後、陽子と再会を果たした直樹は、夢見るような時間を過ごすことになる。ふたりの関係の進展はあるのだろうか……。ロマンがひろがるロマンスストーリー。

購入し、一気に読みました。さらっとはじまるのだが、気づくと構築された世界にどっぷりと浸っていた。過去を語ることで背景から輪郭を浮き上がらせるように心象を描写してあり、美事な小説になっている。ラストが難点と書かれているレビューを読んだが、僕にはそう感じられなかった。ラストはあえてそのように旋律を描いた文章なのだと思う。浮き上がって感じるのは作者の意図通りに心象が描かれたのだと僕は判断した。積み重ねられたときの中で、木霊するように揺れる心の機微が巧みに表現された物語だと感嘆しました。

ラストが 衝撃でした。
まさか こうなるとは、お盆には良い話だと
思いました。
白昼夢とはこういう時に
使う言葉なのでしょうか。
胸が痛いです。

切なくなるような、ロマンスが滲んでいる感覚を呼び覚ますような物語。そんな恋愛小説のかたちを描いてゆきたいと考えています。応援していただければ幸いです。よろしくお願い致します。