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植物界のスーパースター

未だかつてないほどの土地を支配していたアレキサンダー大王がインドに攻めてきたのは2500年前のことである。幾度となく攻めてきたが、都度インドの兵士達によって打ち返されていたらしい。当時はマウリア朝の時代、かのアショーカ王が繁栄をもたらせた王国がインダス川を中心にインドの大半を支配していた。

アレキサンダー大王の軍勢は強く、世界各地を侵略していったが、インドは侵略されることはなかった。当時の記述によるとマウリアの屈強な戦士達に追い返され、遂には攻め返され、アレキサンダー大王率いる軍勢はバビロンまで後退していったそうである。間隔をあけずに攻撃したり、奇襲したりとあの手、この手で攻め入ったがどれもうまくいかなかったそうだ。

なぜそこまで屈強で体力があり強いのか。彼らの力の源はモリンガという植物の葉から抽出したお茶であった。モリンガを毎日飲むことでマウリアの戦士達は強く、たくましくなったそうである。そしてモリンガは歴史上最も勢いがあったアレキサンダー大王をも打ち返したのである。

奇跡の植物と呼ばれるモリンガ。アジアやアフリカでは遥か昔から親しまれている。紀元前2000年前のアーユルヴェーダの教えにもモリンガは登場する、北インド原産ともいわれ、熱帯の地で良く育つそうである。世界一栄養が詰まった植物としても着目されタンパク質はヨーグルトより豊富で鉄分はほうれん草をも上回り、ビタミンCはオレンジよりも多い。ビタミンAやカルシウムは牛乳をも凌ぎ、バナナよりもカリウムが多い。そしてアーモンドよりビタミンEが豊富だといわれている。

まさしく「スーパーフード」。食べ物界の超人である。

そんなスーパースターに私が出会ったのは南インドで学生生活を送っていた時である。毎食のように出されるサンバルという豆と野菜がたくさん入ったカレーに必ずモリンガの実が入っていた。その実はドラムスティックと呼ばれていた。皮が硬く噛みきれないので内側についた柔らかい部分を食べて硬い外側は食べないのである。そんな日常的に食べていたドラムスティックがモリンガだとはつゆ知らず、硬くて食べにくいだとかなんとか文句を言っていたような気がする。

そんなモリンガは栄養素が豊富で人々の健康に良いだけではなく、植えることで土に潤いをもたらせてくれると言われている。水分が少ない乾いた土地に水を繋げてくれるのだとか。
モリンガを飲んで、食べて、植えよう。

マウリアの戦士達みたいに力強く自分たちを守れるかもしれない。

ある地域ではモリンガの葉を家にぶら下げておくことで邪悪なものを寄せ付けないでおいてくれると信じられている。

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