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卒業と告白

卒業へと向かう中で自分が本当に大切に思う人に気づくことができた。

前に一目惚れをした子は一目惚れでしかなく、気づけばひとときの感情で終わっていた。

12月が終わる頃に、高校を卒業したあと誰と離れたくないかを考えていた。
親友たちよりも真っ先に浮かぶ子がいる。

その子は3年間同じクラスで、近くにいるのが当たり前になっていた。
思い返せば、クラス替えの時に同じクラスになって1番嬉しい子はいつもその子だった。

その子は地方の大学を受ける。
じゃあ会えなくなるの?

そう考えるとすごくツラい。

受験も終わり、卒業に近づくにつれてその子のことを考える時間が増える。
三年間積み上げてきたものはお互いに友情のはずだったけど、最後の最後で恋に変わっていた。

地方の国立を受けるその子とデートを重ねる時間なんかない。
卒業式に告白するしか選択肢はなかった。

卒業式本番は案外あっさりしたもので時間はすぐに流れていく。

最後のホームルームも終えて、打ち上げに行くまでの間、各々クラスで談笑している。

その子を廊下に呼び出した。

行事ごとに写真を撮っていたので、何も気にする様子もなくついてきた。

いざその子を前にした時、今まで考えていた告白の言葉とは全く違う言葉が出た。
その子はしっかりと自分の言うことを聞いてくれて、驚く様子もない。

いつから好きだったの?遠くてもいいの?などと聞かれたが、告白の返事はしてくれなかった。
その空気に耐えきれなくなり、返事はいつでもいいからと言って逃げてしまった。

打ち上げでもその子のことを避けていた。
ダメ元で告白したけれど、やっぱり振られるのは怖い。
そのまま返事を聞くことができずに打ち上げは終わった。

打ち上げの帰りにその子にLINEをした。
できれば返事を直接聞きたいと。
その子は8日の合格発表でこれからの予定が決まるからそれまで待っていて欲しいと返信をくれた。
その子は待たせてごめんねと続けて送ってくれた。

隅々まで気を遣えるすごくいい子で、そういう優しいところも好き。
ただ、今回ばかりは優しくされるのも、気を遣わせてしまったのもツラい。

まだ返事は聞いてないけど、なんとなく返事の想像はつく。
でも告白したことに後悔はない。
多分何もしないで卒業していたら一生後悔していたと思う。

今日その子と会ってきます。

大学生活笑って過ごせるかな?















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