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バイブルメッセージ

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毎月2回配信している聖書関連のメッセージです。
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記事一覧

愛に裏打ちされた神の忍耐

何かの記事を読んでいて、「コーチには忍耐が必要」という言葉が目に留まりました。コーチがスポーツ選手を成長させるには、愛に裏打ちされた忍耐が必要だと言うのです。 確かに、選手が新しい技術を習得したり、記録を更新したりするには忍耐が必要ですが、コーチも忍耐をもって選手の成長を見守らなければ選手を支えることはできません。そして、選手がそのことを理解して、コーチを信頼するのも大切なことです。 それは、私たちと神との関係にも言えると思います。神が愛情と忍耐をもって私たちの成長を助け

イエスが生きておられるから

今年のイースター(復活祭)の頃に私がよく聴いていた曲の一つに、『Because He Lives(主が生きておられるから)』という賛美歌があります。日本語では、『主は今生きておられる』、『み子イエス世人のため』、『私をゆるすために』などの題名で訳されています。 この賛美歌は少しユニークで、イエスの復活を歌っているけれど、2番の歌詞が親子についてのものになっています。ほとんどの日本語訳では省かれているのですが、実は、この賛美歌で最初に書かれたのは、この部分でした。 簡単に翻

もし神の子なら

私たち人間は、「神だったら、こうするべき」という自分の考えによって、神のやり方を裁くことがあります。それは単純に、神のやり方や知恵が私たちのやり方や知恵をはるかに超えているのに、自分を神と同等か神の上の立場に置こうとしているだけなのですが。(イザヤ29:16; 55:8-9) 「神だったら、こうするべき」と言う時、それはそもそも、その人には神を信じる気持ちなどないからという場合がよくあります。イエス・キリストも、十字架にかけられた際に、自分を神の子と信じない人たちから、「も

「この人を見よ」

クリスチャンにとって、春と言えば、イエス・キリストの受難に思いを寄せながらイースター(復活祭、今年は3月31日)を待ち望む季節です。 受難とは、イエスが裁判と処刑によって、計り知れないほどの苦痛を精神的にも身体的にも味わったことを言います。裁判は短時間のうちに何度も行われており、祭司長や議員たちはイエスが死刑に値するとしましたが、ローマの支配下にある彼らには処刑の権限がなかったため、総督ピラトのもとにイエスを送りました。 ピラトは、「彼らがイエスを引きわたしたのは、ねたみ

私の名を呼んでください

3ヶ月ほど前のバイブルメッセージで、『悲しみよありがとう』という本から水野源三さんの詩を紹介しましたが、昨日はその本を読んでいて、また別の詩が心に響きました。 夜の闇の中にただ一人横たわり、不安を抱えている時に、ただ神に自分の名前を呼んでもらえさえしたら安心するのだと訴えているようです。 福音書には、イエスが不安を抱える人や、まもなく大変な経験をする人に対して、名前を呼んでから話しかける場面がいくつも記されています。 例えば: 多くのことに心を配りすぎて、思い煩ってい

「まず」求めるべきもの

先日何かを読んでいて、「まず」という言葉が目に留まり、気になったので、聖書でその言葉が使われている箇所を検索してみると、興味深い聖句がいくつも見つかりました。 中でも、「まず神の国と神の義とを求めなさい」という言葉(マタイ6:33)は、心にしみました。 イエスはこのマタイ6章で、自分(の願望や評判や富や必要物)を中心とした生き方ではなく、神を中心に据えた生き方をすることについて、さまざまな角度から語っています。 33節は、自分の生活に必要なものに心を奪われるあまり、神に

「妨げる者」が逃げ去る時

今年の初め、新年のモットーについて祈った際、まずは旧年中に神が私の人生においてなしてくださったさまざまなことを思い出して、神に感謝しました。 声帯にできていた肉芽と、長らく患っていた皮膚アレルギーが癒やされたし、他にも祈りの答えや主の導きを多く見られた一年だったと思います。また、バイブルラインを通じて多くの方に聖書のメッセージをお伝えできたのも、嬉しいことです。 しかし、私の人生に一番のインパクトを与えたのは、12月に起こった特別な経験で、それはパウロのこの言葉を思い出さ

新年のモットー(2024)

年の初めは、旧年を振り返って神に感謝し、これからの一年のために祈るのに良い機会となります。新年の抱負を設定する人もいることでしょう。 そこで、今回は、昨年と同じく、新年のモットーとなる聖書の言葉について書きたいと思います。 というわけで、私や友人が2024年のために選んだ聖句をいくつか紹介させていただきます。 この友人は、昨年早期退職したところで、今後何をするかはまだ決まっていません。新しい道を、主に目を向けながら歩んで行きたいとのことです。 そのように大きな生活の変

慰めと救いを待ち望む

メリー・クリスマス! 今年のクリスマス・シーズン、皆さんはどうお過ごしだったでしょうか。 イエスの誕生物語(ルカ1~2章とマタイ1章)には多くの人物が登場します。この時期になると、私はそれぞれの人にとって、イエスの誕生はどのように見えたのだろうと考えるのですが、今年は、特にシメオンのことをよく考えていました。 シメオンは祭司や律法学者や議員のような有力者ではなく、ごく普通の人でした。しかも、けっこうの老人のようです。ただ、神とのつながりが強く、神の聖霊の導きにゆだねていた

恐れる私たちへの喜びの知らせ

何か思いがけないことが起こると、私たちは戸惑うし、それが良くないことをもたらすのではないかと不安や恐れを抱くこともありますよね。 「最初のクリスマス」であるイエス・キリストの誕生に関わる記述(ルカ1~2章とマタイ1章)では、天使が4組の登場人物に現れて、「恐れるな」と告げています。 ▶ ザカリア: 祭司のザカリアは、神殿で務めをしていた時に天使が現れたので戸惑い、恐怖の念に襲われました。おそらく、いきなり天使が部屋の中に出現したら、誰でも怖いと感じることでしょう。 天使

あなたの手にあるそれは何か

先日、アメリカの記事で、嘘をついて会社をサボろうとした人たちの言い訳集のようなものを目にしました。「太ったので、制服が入らない」とか「飼い犬が車のキーを飲み込んだので出勤できない」など、私には思いつきそうにないものばかりです。 「庭に熊がうろついていて、外に出られない」という、最近の日本だったら、本当に起こり得るかもしれないものもありました。普通は街なかに出てくることがないのですが、今年は異常でしたね。 聖書の箴言にも、熊ならぬ「獅子(ライオン)」が外にいるからと言って怠

『悲しみよありがとう』 まばたきの詩人

最近、まばたきの詩人と呼ばれる水野源三さんの妹・林久子さんが書いた『悲しみよありがとう』という本を大変興味深く、かつ感動しつつ読みました。 源三さんの詩が27編、美しい写真とともに掲載され、詩の背景や源三さんの日常が久子さんの視点から語られています。 源三さんは、9歳の時、町に発生した集団赤痢に感染し、脳膜炎を併発したことがもとで、脳性まひになり、体の自由と言葉を発する能力を失いました。 医者から、目をつむって意思を伝える方法を教えられ、それがヒントとなって、やがて五十

約束の実現は突然に

「病気は突然やってくる」と言います。医者からすれば、それは突然のことではなく、身体の中で不調が蓄積するなどした結果なのですが、患者にとっては、自分の目に見えないところで起こっていることだし、しるしがあっても気づかない場合も多いので、病気が見つかった時には、突然だと思えるものです。 7年前、私がパソコンを操作していた時、体がしきりに痒くなり、掻いたところがミミズ腫れになりました。文字通り、かなり太くて大きいミミズのような形に、ぷっくりと皮膚が盛り上がったのです。そんなことは生

かけがえのない大切な存在

大切なものをどこかに置き忘れた、あるいはどこかに消えてしまって、見つからないということは、きっと誰にでもあることでしょう。そんな時、私はこの聖書の言葉を引用して祈ります。 見つけるのを助けてくださるよう祈り求めてから、主の導きに従って探し、可能性のある場所を当たってみるのです。そうすると、思いがけないところで見つけたり、時にはどこにあるのかを示されたりします。 少し前には、こんなことがありました。 妹の愛犬の逃亡両親が妹夫婦の近くへ引っ越すことになり、私も実家に手伝いに