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サイの保護についての、野心的すぎる計画が頓挫

 まずはナショナルジオグラフィックの記事をご覧ください。

 サイの保護についてはこちらも参考になるかと思います。

 南アフリカの起業家ジョン・ヒューム氏は自身の保有するサバンナでサイを飼育し、サイの角を販売することで運営資金を賄おうという計画をたてました。ビジネスとも書いてあるので、営利事業ではあるのでしょう。ただヒューム氏はサイの角が合法的に取引されることで値段が落ち着けば、密猟が割に合わなくなるだろうと考えたようです。
 サイの角は漢方薬や工芸品の材料として需要があります。密猟者は角を目当てに野生のサイを殺してしまうため、保護区では予めサイの角を切り取ってしまうことは良く行われています。オス同士の闘争など、野生での行動に差支えがあるかもしれませんが、苦肉の策です。そして切り取られた角を「もったいない」と感じるのは必然だったかもしれません。

 ヒューム氏はサイ牧場に私財を投じサイの角の国際取引を合法化するべく運動してきましたが成果はありませんでした。その間に氏の所有地に暮らすサイは200頭から2000頭に増えたそうです。その間にもサイを密猟から守るための経費は毎月42万5000ドルかかったということです。

 結局サイ牧場は競売にかけられることになりましたが、最低落札価格1000万ドルに対して入札はありませんでした。そして事業はアフリカンパークスという自然保護団体に受け継がれることとなりました。アフリカンパークスは全従業員の雇用を継続しながら、2000頭のサイを野生に戻す方法を模索していくそうです。

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 スケールが大きすぎてクラクラします。角の国際取引が認められるか定かでないのに、サイ牧場に巨費を突っ込んでしまった起業家さんも凄ければ、その事業を引き継ぐことのできる自然保護団体も凄いな。
 記事によるとアフリカンパークスはアフリカ12か国にある22の国立公園と保護区を管理しているとか。凄い組織力と資金力があるのだなぁ・・・。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございます。本業のサイトもご覧いただければ幸いです。


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