遂に一般向けのヒッタイト概説書が出版されました。

 時々チェックしている歴史ブログ「現在位置を確認します。」さんに、こんな記事が出ました。

 ヒッタイトと言えば、自分がやっている世界史シリーズで、ヒッタイトを取り上げた時のことを思い出します。最初は教科書通りヒッタイトは製鉄技術を独占しその力で大帝国を築いたが、海の民によって滅んだ。ヒッタイトの滅亡で製鉄技術が広まった。というラインで纏めようと思っていたのですが、それを全面的に再考せざるを得なくなったのが、同じく「現在位置を確認します。」さんのこちらの記事でした。
 思えばこちらのブログには、このヒッタイトについて色々検索していた時に出会ったのでした。

 これからの悪戦苦闘はそれまで順調に更新していた世界史シリーズの更新頻度をすっかり停滞させてしまい。それが未だに尾を引いている始末。
 その時に痛感したのがヒッタイトを扱った一般向けの概説書が存在しないこと。名古屋市図書館のサイトで色々検索しても、古い資料しか出てこないのです。そのためあちこちの本から僅かずつのヒッタイトについての記述を抜き出して纏めることになったのでした。実際のところヒッタイトでの製鉄とはどんなものだったのか、などのところになると工学系の本にまで手を出したものの・・・。その成果は以下の記事に纏めたので、良かったらご覧ください。この記事で取り上げる本を読み終えたら、書き直すかもしれませんが。
世界史その22 ハッティ・ヒッタイト・鉄
世界史その23 ヒッタイトの建国伝説とヒッタイト古王国
世界史その24 超大国ヒッタイト
ヒッタイト 総まとめ
製鉄の始まり #世界史を支えたマテリアル

 それで出てしまったのですね。この苦労を無にしてしまうような本が。それがPHP新書「ヒッタイト帝国 「鉄の王国」の実像」です。
 まだ読み始めたばかりなのですが、冒頭でハッティとヒッタイトについての説明があります。まずアナトリアにヒッタイト人が来る前に住んでいた先住民族がハッティ人です。そこにインド=ヨーロッパ語族のヒッタイト人がやってきて先住のハッティ人を支配することになります。ところが彼らは自分たちの国を「ハッティ」「ハットゥシャ」と呼び続けます。それ故「ハッティ」とはヒッタイト人の国の名前であると同時に、ヒッタイト人以前にアナトリアに居た民族の名前でもあるのです。
 ここで悔し涙です。自分がここらへんの事情を納得するまでに、何冊の本を読んで色々混乱したことか。一方の本でハッティ人と書いてある民族と、別の本で先ハッティ人と書かれている民族が同じとか、全くトラップとしか言いようがありません。
 たぶんこんな感じで、この本を読み終わるまでには、何度となく「2年前にこの本があれば」と嘆息することになるのでしょう。

 読み終わったらまた記事にするつもりですが、感想を書くのではなく、無言で過去記事を修正し始めるかもしれません。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございます。本業のサイトもご覧いただければ幸いです。


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