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アパトサウルス/ブロントサウルスを巡る補足。

 先に上げた記事でアパトサウルスの研究史とでもいうべきものを纏めました。こちらの記事です。

 こちらの記事で書いた通り、かつて恐竜の代表格の一つのように扱われ、映画、小説、マンガ、アニメでの登場頻度も高かったブロントサウルスですが、現在はアパトサウルスという恐竜と同じ種類とされ、ブロントサウルスの名前は無効名となっているということは、少しでも恐竜に関心のある方ならご存知のはずです。
 僕の場合、小学校低学年までに、ドラえもんなどのマンガ・アニメでさんざんブロントサウルスの名前に慣れ親しんでいたのが、小学校中学年頃になると学習漫画や子供向けの読み物に手を伸ばすようになり、ここで「ブロントサウルスという恐竜は存在しないんだ!アパトサウルスの別名で、アパトサウルスの方が正式な名前なんだ」と強調されるのを目にするようになります。しかし映画や漫画などでは相変わらずブロントサウルスの名称が使われ続けます。ということは僕が小学生だった1980年代には、ブロントサウルスは無効名だというのは最新のトピックで、メディアの表記もアパトサウルスに変わっていく途中だったのでしょうか。
 ここでブロントサウルスとアパトサウルスが同じ恐竜であることが指摘されたのが何時だったか、Wikipediaで確認してみます。
 1903年。
 ミスタイプではないです。1903年です。研究の内容が研究者の間で認められるのに、またそれが一般の人々に知識として広まるのに時間がかかるとしても、これは時間がかかりすぎでは?ちょっと意外な事実ではないですか?共感していただける方の趣味と年代が限定されすぎるかもしれませんが。

 ところでこのアパトサウルスとブロントサウルスの名称を巡って新しい展開がありました。ポルトガルの大学の研究者がディプロドクス科の属の系統を明らかにしようとする研究の中で、アパトサウルスと別の属とするだけの差異があるとして、ブロントサウルスを独立した属として掲載したのです。
 今後の研究に期待ですが、今のところこの研究に対する批判的な意見は、この研究についての記事では取り上げられていません。

 アパトサウルスの意味は奇しくも「惑わせるトカゲ」。我々恐竜ファンは1世紀以上もの間惑わされていたのかもしれない。と、なんかそれっぽく〆てみました。

 ヘッダー画像はアパトサウルスの画像が無かったので、カマラサウルスさんに代打をお願いしました。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございます。本業のサイトもご覧いただければ幸いです。


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