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MLB合理主義~たった2%の差でもバントする?


この時代、色々な情報を簡単に入手できる時代、便利な反面、いつのまにか固定観念に縛られてしまっていることもある、そんなことを実感したある”数字”があります。

皆さん、いつのまにか”メジャーリーグではバントしない”という固定観念を持ってしまっていませんでしょうか?

「いやいや、データでも”バントしない”って出てますよね?」
「バント文化が根付いている日本の犠打数と比較しても、その数値は限りなく低いのでは?」

おっしゃる通りです、日本と比較した数値をみる限りでは”メジャーリーグはほとんどバントしない”で、私も正解だと思っています。

その数値をご覧下さい、よくまとまっていて、バントの歴史が良くわかる資料です。日本は変わらず、メジャーは減少、そんなことが良くわかるサイトです。


出典:「野球の記録で話したい」NPBとMLBの犠打数の推移


しかし、「勝つ確率が高いならバントする」というチームや指導者はメジャーリーグにも存在しています。

しかも、どのくらいの数値が高ければ「メジャーリーガーはバントをする」と判断すると思いますか?その数値とは・・・

たった2%

たった2%でもバントすれば勝てるなら、MLBのチームや指導者は迷わずバントのサインを出します。

「バントしたって勝てない」という迷信をメジャーリーガーは信じていません。

ただ、いままで”あるルール”が無かったからバントをしていなかっただけです(そのルールは後ほどご紹介します)。


「バントしたら2%でも勝てる確率が高くなるならば・・・」

迷うことなくバントのサインを出すメジャーリーガーのことを考えると、MLBは合理主義だ!と思っても当然ですよね。


逆に、日本の場合は「バントすれば勝てる」という迷信を信じているかもしれません。日本人はここ最近、パワーもつきましたし、メジャーリーガーよりも足は速いんじゃないですか。ランナー1塁だとしても、長打で同点、更に長打で逆転だってあり得ると思います。

仮のお話ですが・・・もしかしたら、日本野球はバントしない方が勝つ確率が3%高いかもしれないという世界だったら・・・日本ではバントをやった方が良いという迷信があるため、たとえバントをしないと勝てる確率が3%高いとしても、日本人は3%では低いと考え、きっと変わらず迷いなく、バントをすることでしょう。


さて、メジャーリーグでバントが見直されたあるルール改正とは・・・

今年、永久ルールとなった延長戦突入で導入されるサドンデスです。

コロナ渦の2020年から延長戦において特例で実施していた無死2塁からスタートするタイブレーク制を永久に採用することが今年から決まったのですが、このサドンデス導入でメジャーでも送りバントの価値は上がったようです。


バントの価値を上げた数値をご紹介します。

【勝利確率(同点で、ホームチームの延長戦において)
ノーアウト2塁 81%
1アウト3塁 83%



出典:MLB公式サイトより

たった2%だけの数値ですが、それこそ合理化主義の意地!!!

好バッター以外は進塁打を狙うチームが増えると予想されております。


しかし、条件があります。

上記に記載している通り【延長戦で同点、さらにホームチーム】だった場合での数値です。もし、【延長戦でホームチームが1点差で負けている】場合は、バントはしないでしょう。

さらに、【アウェイチーム】は延長戦でバントすれば勝つ確率が5%減るので、バントはしないでしょう。

ちなみに、【アウェイチーム】が延長戦で勝つ確率高いのは【2点差】にすることです。【1点差】では負けるかもしれません。

だから、バントや進塁打で1アウト3塁にして1点しか取れないと負ける確率が高まるので、バントや進塁打なんて考えないで、ヒットや長打を狙っていこう!という作戦でサドンデスを戦っている、そんなことを分かったうえで試合観戦すると、なんか面白くなってきますよね。

ちなみに、【アウェイチーム】が延長戦で勝つ方法を分かりやすく説明した動画もありますので、是非ともご覧下さい。


たかが2%でも確率が高い方を重視する作戦を講じるチーム、それとも強硬策に打って出るチーム、メジャーリーグを観戦する上で、もし延長戦に入ったら、首脳陣はどのような采配をするのか、楽しみにみていきたいと思います。


さて、今回は「メジャーリーグは合理的である」ことをご紹介しましたが、実は全く「合理的ではない側面も兼ね合わせているのがメジャーである」、そんなお話は次回ということで、以上、今日のボソッとでした。

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