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実験国家アメリカ精神が受け継がれているMLB

アメリカと言うと私はこんなイメージもあります。

「えっ、そんなことやるの?大丈夫?」

ここ最近の話で言えば、コロナ渦においての実験国家アメリカを思い出します。

世界に先駆けて、ワクチン接種者は屋内でもマスク不要と決めたアメリカ。日本では大多数の国民がマスク生活をしていた時期だっただけに、マスクをしない野球ファンが満員状態のメジャーリーグの球場は今でも忘れられない光景でした。

本当に実験国家と言われている通りアメリカらしい決断でしたが、壮大なる実験で進化を遂げようとする精神は今年のアメリカ野球界にも引き継がれています。


今年は大谷選手がホームランを連発してホームラン王を獲得しましたが、何がすごいかというと昨年からメジャーで導入している『飛ばないボール』というピッチャー有利の状況においても、とんでもない打球初速や飛距離で本塁打連発する大谷選手に全米が驚いているんです。

この『飛ばないボール』の導入の背景には「最近のアメリカ野球が面白くない」という声が聞こえ始めたことがきっかけで、日本風のスモールベースボールの良さを改めて見直そうというMLB側が推奨したのが始まりでした。

分析解析ツールの進化によってピッチャーが格段にレベルアップした今、セーフティバントや送りバント、スクイズ、ヒットエンドランといった足を絡めて好投手を崩していく野球を目指すと決めたMLB野球界の重鎮さんたちは、今年2023年から新ルールを導入しましたよね。

①ピッチクロック
②投手の牽制方法や牽制回数の制限
③ベースサイズを拡大
④内野守備シフトを制限


これらの新ルールは試合のペースを速め、選手たちのアクションを増やす目的で導入されましたが、結果、どうなったか?早速、発表されていましたよね。

特に「内野守備シフトを制限」は私が最も注目していたルール変更でした。メジャーではアタリマエ化された極端な守備シフトを制限したことで打率はアップできたのか?


はい、打率をアップさせたようですよ!

特に守備シフトの餌食となっていた左打者のプルヒッター(引っ張りバッター)の打率が伸びたそうです。ということは、このルール変更によって大谷選手も恩恵を受けたということですね。

そして、私が最もうれしい結果も出ましたが、そう、試合時間が短くなったという結果が出ました。

なんと24分の短縮!!!

この試合時間短縮が相関しているのでしょうか、観客動員は6年ぶりに7000万人を突破とのこと。さらに、盗塁企図数もアップ


ちなみに、MLBが2024年からルールを導入するのではと期待されているのが、『ロボット審判』ですよね。その他にも、先発していない選手の代走を常時認め、ベース上で交代させられた選手はその後も出場可能となる『臨時(指名)代走』、先発投手が5イニングを投げきらない場合、打順からDHが消滅さえる『ダブルフック制』が検討されているようです。

以前、『マウンドを約30cm後ろに下げる』というルールも検討されていたことがあります。
ピッチャーの球速が上がり続けている、更に変化球がトンデモナイ動きをするいま、この新ルールによって、ピッチャー有利からバッター有利となって三振とホームランが減る可能性があります。


このような新しいルールを模索することで、ホームランか三振か、160キロを超える剛速球と圧倒的な変化球というパワーベースボールと、盗塁やバント、スクイズ、エンドランなどのスモールベースボールが加われば、ファンがおおいに楽しむ最強の野球"アグレッシブベースボール"が完成することでしょう。

時代の変化を捉えて常に進化しようとしているアメリカ野球界、そのためには失敗を恐れない壮大なる実験がいま現場では広げられているんですね。


日本では既にスモールベースボールは完成されているので、是非ともパワー野球についてメジャーに負けないレベルまで引き上げるためにルール改正も視野に入れて様々な実験もして欲しいという、そして試合時間短縮の検討もお願いします!というボソッとでした。


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