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2023/11/29 読書記録 偶然の幸運に出会う能力「セレンディピティ」

茂木健一郎著『セレンディピティの時代』

偶然の幸運は待っていても出会える保証はない。とにかくなんらかのアクションを起こすことが大切だ。出会ったら、そのことに気づくこと!気づきのためには心の余裕がなくてはならない。

次に、気づいたら、そのことを受け入れること!勇気を持って、自分の内側に招き入れる、受容のプロセスがセレンディピティを完成させる。

まぁ当たり前といえば当たり前のことが書かれているが、わかっていても実行できないのが人間である。1つでいいので、明日から心がけてみよう。

私が気になったものは、2つある。
まず、<嫌いなものでもいたずらに排除せず、清濁合わせ呑む

おおらかに許すこと、異質なものを許容することが自分の幅を広げるために必要である。

もうひとつは、
肝心なものは周辺視野でなければ見えない

自分が集中していることの外にある、ぼんやり視野に入っている、眼の端の事物を捉えることが創造の種になる。自分のこだわりを捨て、心にふっとよぎるものを捉えた時、ギフトの包みが開かれる。


木村セツ著 『90歳セツの新聞ちぎり絵』

セツさんは、まさにセレンディピティの実践者ではないだろうか。

昭和4年生まれ。2019年元旦から新聞ちぎり絵を始めた。それまでは、<趣味はなんもなかった。食べるだけが趣味でした。もうずっと働いていました。よう働きました。>とのこと。

ご本人、1番のお気に入り。ブロッコリーのちぎり絵。

<自分ではこれがいちばんようできた思てます。>

ご主人が入院された病院の壁に貼ってあったちぎり絵が目に止まったのがキッカケだそうだ。

娘さんはデザインの仕事をしている。お孫さんはイラストレーター。セツさんは絵が苦手だという思い込みがあり、それまで描くことはなかったが、生活の中で心地よい色味や配色に敏感だったそうだ。

それまでの90年の人生で見てきたもの、感じてきたものが溜まりに溜まって、その爆発力はすごいと、お孫さんは言っている。

<不思議でならんわ。これなかったら生きがいないわ。>とおっしゃるセツさん。寝ているとき以外は家族のために働いていたというセツさんが出会った、まさにこれがセレンディピティだと思う。



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