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支えてくれている人達の想いを忘れるな

高校野球最後の大会が終わると教え子達がグランドに遊びに来てくれる。昨年夏に来てくれた教え子3人は低学年の時しか僕はみてないけど来てくれると嬉しい。あの日を思い出すかのようにホームグランドでキャッチボールを楽しんでいる。

昼休みに空いたグランドを利用して教え子達に6年生当時監督の恩師がノックをした。6年前の面影を感じさせながらも、瞬発力のあるスピードとグラブ捌きで成長した姿を見せてくれる。いつまでも続けばいいのに、時間が止まればいいのに、恩師の側でボール出しを手伝いながらそう思った。

約20分ノックを打ち続けて時間切れとなり幸せな時間は終わってしまった。恩師からか教え子からか、お互いが歩み寄り「ありがとう」「ありがとうございました」の言葉が重なり合って握手をした瞬間、恩師の目からダイヤモンドが流れていた。

後日その恩師と食事をご一緒した時に聞いてみた。
教え子達がグランドに遊びに来てくれましたね、

「いやぁ、嬉しかったよ。ノックお願いします!って言ってくるんだもん。このために教えてきたようなもんだよ。ホントに嬉しかった!」

グランドではしかめっ面で笑顔なんてあんまり見せない人なんだけど、こんなに素直に喜びを語ってくれて幸せな気持ちにさせてもらっているのは僕だけでいいのか、もったいない感じがする。

ノックお願いしますって言ってこいよ、と教え子達の背中を押したことは伏せておいた。そんなのどうだっていいことだ。大事なことは、教え子達の想いを恩師に繋げることができたか、どうかだから。

教え子達はノックという心の会話を通じて、6年間で成長した姿を熱く伝えてくれた。このホームグランドで輝く躍動感は、彼らの感謝の気持ちそのものだ。そして、恩師が放つノックの打球1球1球にも6年前と変わらず深い愛情が込められている。

#自分と向き合う心得
#1
#少年野球
#baseball

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