日本語教師日記161.漢字for fun
オンラインレッスンで、ひらがなカタカナはもちろん、漢字もカードで覚えてもらっています。
新しい漢字を紹介するときは、ホワイトボードで書き順を見せながら、一緒に書きます。アメリカ在住では、近くにダイソーがあるという人が結構いますので、置いてあれば、小学1年生が使う漢字練習帳を買って来てもらい、1つの漢字につき10回ずつ書いてもらったりします。そのノートは見つけられないけれども欲しい、と言う人にはこちらから送ったりもします。
書いて覚えてもらうのは、JLPTに挑戦する人向けです。
そのほかの人は、もっとのんびり、楽しみながらやっていきます。
一つの漢字を何回も書いて覚えるというのは王道かと思いますが、とりあえず、見て、「なんか見たことあるなー」でもよしとしています。
レッスンの中で漢字を書く時間は多く取りたくないので、途中だれてきたときに、今まで覚えた漢字をフラッシュカードにして傍らに置いておき、さっと見せて答えてもらったりします。これはゲーム感覚で。
漢字の学習がひらがな・カタカナと違うのは、漢字は丸暗記に励まなくても、偏やつ旁から読み方が想像できたり、読めなくても意味がわかったりする楽しさがあります。
それで、漢字を楽しいと思ってもらえそうな小さな話はたくさん用意しています。
家
屋根の下にほら、屠殺されてぶら下がって、あばらの見えるこれは・・豚🐖なんですって。中国では豚は貴重な動物で、家の中で一緒に暮らしたから、屋根の下に豚がいる場所=houseなんですって。
女
女の漢字は、物議を醸し出しそうなものがたくさんありますね。
嫁
よめ。息子の奥さんのことですが、嫁と呼ばれるのを嫌がる人は、60代でもたくさんいます。(小町参照)
昔の日本では、息子のパートナーという感覚はなくて、私の家に入ってきて、労働力になり、再生産の役目も担っていただきますよ、という存在だったみたいですね。
その嫁が古くなると・・・?
「姑」、しゅうとめ、ですね。なんだかひどいね。
mother in lawのことです。
姉
あね、です。姉、または、お姉さんね。
娘たちのうちでも年が上で、市場に行って買い物をしてきてくれる娘。
って覚えたら、覚えやすくないですか?
え。そうでもない?
「市」の漢字を覚えてないから?
そりゃそうか。
妹。娘の中でも幼くて、「未だ役に立たない子、って感じかな?
好き。
え?
「好きの漢字は、女と子供でできていますね」ですか?
よく気づきました、偉い偉い。
確かに、女性や子供は、いるだけでこちらが笑みこぼれる、みんなが「すきな」存在かもね。
木を覚えたらすかさず、林、森、と覚えてもらいます。
木がたくさんありますから林、もっとあったら森ね。
田。
新幹線に乗って京都に向かうとき、いっぱい車窓から田んぼが見えたでしょう?
この通りでしょう?
山。川。これぐらいは形からすぐ覚えてくださいね。
火。
ログを組み合わせた上にパチパチと火の粉、って覚えたら?
え?
「人が、初めて火をつけられてもろ手を上げて喜んでるように見えます」
ですか?
それもいいね。
先生それ、いただきます。
東京に住んでいる人は、一から六ぐらいは漢字で覚えていただきますよ。
いいですか?
一ツ木通り
二子玉
三田
四谷
五反田
六本木
来週テストしますよ、ちゃんと覚えてください。
漢字を覚えるのまでは面倒みきれませんよ?
この前送ったクイズレット見てますか?
見てない?
スマホが手にくっついてるのに、なぜ見ないのかなぁ。
あなたが見てないうちに、どんどん増えてますよ。
・・好きなことはすぐに覚えてしまうのは人間の自然で、
アニメファンの子供生徒くんなどは、
刀 と 刃 は すぐ読めるようになりました。
漢字の大海原は本当に大変ですが、
私は一人一人に教科書は作っていますので、読めるようになったらすかさず、入れ込んでいきます。
それは
読めたね!
天才ですか?
と大褒めして、しんどい日本語のレッスンに、なんとか達成感や、成功体験を持ってもらいたいなぁと思うからです。
サポートしていただけたら、踊りながら喜びます。どうぞよろしくお願いいたします。