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エッセイ52.2020年お買い物の旅(2)

昨年買ったもののうち、早まって間違って買っうたものはなかったことにして、
良かったものを振り返る、「2020年お買い物の旅」の2回目です。


トップ写真のこの本は、2020年に購入した、記念すべき一冊目。

社宅の庭が意外に広く、雑草とは 暖かい季節は常につきあいがあります。

草刈りをしてみるとわかりますが、雑草は、生き延びるためのストラテジーが素晴らしいです。

一見可愛らしいツユクサも、引っ張ると、どこかの節のところで、簡単にぶっつりと切れます。そして、残った節でしぶとく繁殖し続けます。

莢がいきなり真っ黒になるため、「カラスノ・・」と名のついた「カラスノエンドウ」。花がピンクで可愛らしいのに、繁殖力が半端ないし、抜きにくい。これは、放っておくとアブラムシのコロニーになりますので、かわいそうですが、駆除しなければなりません。細々とやっている家庭菜園に、アブラムシがお引っ越しをするからです。

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写真上のように、スイトピーとしか見えない愛らしさなのに、莢が ある日突然真っ黒になり、捻れながらパン!と弾けて種を飛ばす「カラスノエンドウ」です。


また、花が可愛いからと言って、ぼーっと眺めていると、突然にすごい数の、ひっついたら取れない種を生み出す「盗人萩」。これは、タネができる前に鎌で刈るか、タネができてしまったら、全身ツルツル素材の服でかからないと、着ていた服を捨てる羽目になります。
その厄介な種の全容については、こちらをどうぞ。




稲科の雑草は、地面から10〜15センチぐらいの高刈りをしないと、広葉雑草が衰退し、丈ばかり高くなる稲科軍が増え、しかも、彼らは根っこがすごいので、とうてい人力では抜くことができません。要注意です。
一雨で、腰ぐらいまで伸びます。
いやそれは誇張ですが、先週まあ刈ったから・・などと呑気にしていると、次に庭に目をやった時、膝丈ぐらいまでは伸びていて、ギョッとさせられます。



私は昔は、雑草は「根こそぎ」にしないと、根から増える! と思い込んでいました。そこで、お風呂の椅子に腰掛けて、指関節を傷めながら、地中に突き刺した器具で雑草をグイグイ引っ張って取っていました。ですが、それをしても、しないで、出ている部分だけを刈っても、増え方・伸び方は同じと気が付いてからは、電動草刈機を買って、伸びてきたら刈る、という方針にしました。


しかし、この本を読むまでは、雑草は、ときどき可愛いけれど、大抵は厄介なものである、憎いものであるという、負の感情を抱えていました。
雑草にしてみれば、無心に「そこに生えているだけ」なのに、とんだ言いがかりというものです。

この本を読んでから、私にとって雑草は、共存するものになり、ちょっとは好きでなくもない、ぐらいまでには株があがりました。

この本で一番面白いのは、雑草が、「別に雑草のように逞しいわけではない」という観点から、いろいろなことを教えてくれることです。

弱いからこそ、いろいろな姑息な手段を用いて、自分の勢力を伸ばそうと必死、それが雑草なのでした。

雑草は弱いので、作戦が失敗すると、次の季節には、全く違う雑草が庭の広範囲を覆うことになります。この本を読んでいると、驚くほどの雑草の賢さや、それを上回る新参の雑草の賢さとの戦いなど、よくわかります。

以降私は、雑草は15センチを残す高刈り、目立ってきたところからちまちま刈る、などするようになり、庭全体が落ち着いてきました。

社宅に住み始めて3年目のころ、匍匐性の草の種を蒔き、庭を覆う「グランドカバー」植物の存在を知りました。
私が選んだのは、花は咲かないけれども、低く地面を覆って広がる「ダイカンドラ」。けれど、草を刈ったところへ種を蒔いても、少しずつしか広がっていかず、いつしか忘れていました。
ところが、2020年秋、最後の草刈りをしたあと、しばらく庭を見ないでいましたら、このダイカンドラが、いつしか庭の半分ぐらいまでを覆っていることに、ある日気づきました。
密生していますので、そこに雑草のタネが落ちても、発芽できそうもありません。

そうなんだダイカンドラ!
待っていたんだよダイカンドラ!

雑草だからといって、相手の性格をしらず、無闇に引っ張ってもだめ。
相手を知りつつ、できることもして(ダイカンドラの種を蒔くなど)
そして、焦らずに変化を待つ。

私は庭の雑草から、人間付き合いにも参考になりそうなことを学びました。
(かな?)

ダイカンドラは失敗、と思い込んでから放っておきましたが、これだけ伸びてくれると嬉しくなり、次は、庭のあっちの端っこのほうから、匍匐性で、花も長い間咲くというグランドカバーも、試してみたくなりました。

コロナウイルスですっかりめげて、庭で何か育てるのもほとんどしてきませんでしたが、この春はグランドカバーの種まきから始めて、木化してしまったローズマリーとイタリアンバジルを種から育ててみようと思います。

(木化とは、たまにニンジンなどにも見られますが、ハーブなどの年経たものの茎が、硬く、木のようになってしまうことです。びっくりしますね〜)


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ダイカンドラです。引っ張ってみると、すごい密度の細い白い根ができています。これが他種の侵入を許さず、また、地面を粘土化させずに、ほぐしてくれるようです。

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