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チャンスは、向こうからやってくる

『身体の言い分』(著)内田樹 , 池上六朗を再読した。


「どういう経緯で内田さんと池上さんが出会うようになったか」から始まり、コミュニケーションや身体、仕事、人生の話などについて対談形式で書かれている。

出会いの経緯が複雑に入れ乱れているので、要点を絞って記す。

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内田さんが複数の武道を並行していたとき、我慢していた右膝が悲鳴を上げるようになる。複数の整形外科に行っても、提案される治療法は手術がほとんどで、武道もやってはいけないと言われ困り果てていた。

とある日、接骨院を営んでいる三宅先生から突然電話がきて、一度身体を診てもらったところ「気長に通って」と言われ通院が始まる。

週に2回ほど通院するなかで、右膝の痛みがスッと軽くなり、数ヶ月後には完治。三宅先生が行った治療法の創始者が、今回対談形式で進んでいく池上六朗先生である。


この一連の出来事が起きる前に、内田さんが芦屋で行った講演会に池上先生が参加していた。

その講演会を経て、池上先生が知り合いだった三宅先生に「内田先生に連絡を取りなさい」と指令が下る。

そして、内田さんと池上先生の対談形式本が生まれた。

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兵庫にいた内田さんと長野に滞在している池上さんが、幾多の偶然を経て出会っていることは、ある種の必然なのかもしれない。

自分としても、「偶然は必然」を信条の1つにしているため、どうしても気になってしまった。

ここからは本の内容で面白いと思った思考や概念について、自分なりの解釈も踏まえ記していく。

強く念じたことは必ず叶う

1991年に合気道部を創部した当初、自由に使える道場が無く、市の体育館や学校の中にある板の狭いところで合気道を行っていた。

内田さんが「道場が欲しい」と5年ほど強く念じていたところ、突如震災が起きてしまった(著書は2009年に出ているため、阪神淡路大震災と想定)。

建物が崩壊し、新装ないしは改装する必要が出たため、合気道に入門していた施設計画の委員長が、再建リストに「道場」をリスト化。

そのおかげもあり、学校の中の一等地に36畳もの道場ができる。

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【解釈】

一時期、茂木健一郎さんの本をまとめて読んでいて、「思考をコントロールするには、紙に書いて何回も見返すといい」を思い出した。

情報が溢れてくればくるほど、ちょっとしたことで反応し、自分が考えなくてもいいことに気をとられてしまう。

インプットに緩急なるものをつけていきたい。

チャンスは向こうからやってくる

内田さん
でも、みなさんがまだ若くて(若くなくてもいいです)、自分はいったいこの世界にどんな「ミッション」を託されて送り出されたのかとふと考えることがあるとしたら、頭を悩ませる必要はありません。
ご縁に導かれて進めばいいのです。ご縁が必ずみなさんを「いるべきとき」に「いるべきところ」に導いて、「なすべきこと」をさせてくれます。
みなさんの仕事は「ご縁」が接近してきたときに、それを感知し損なわないこと、それだけです。

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【解釈】

「自分で自分の人生を切り拓く」ことは美徳だと感じていた。キャリア論なるもので言われたことが影響しているかもしれない。

ただ、その命題だけになってしまうと、著書の趣旨である「チャンスはつかむものではない。やってくるものである。」に反することになる。

そこで、内田さんは「ご縁」を「callingやvocation」で説明してくれている。このふたつの単語は、「呼びかけ・天職」という意味を持つ。


2019年度に入ってから、自我をコントロールしつつ、他者の期待以上に貢献することを心がけて分かってきた。

自分は、「教える・伝える」ことが天職かもしれない。まだ、ご縁なるものは気づけていないが、もう半年〜年度内で次の道に進んでいる気がした。

語る力を養うには、食わず嫌いしない

「好き嫌い」から「良い悪い」の論争になると、無駄な言葉のやりとりになってしまうかもしれない。

しかし、自分の「好き嫌い」を超えて、別のものにとりあえず接触できると、偶然が生まれる。

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【解釈】

大学に編入学してから時が経つほど、ディスカッション形式の授業が好きになった。

自分の意見を言ったり語ったりするには、1つのテーマに対して思考し、足りないところは本を使って知識を補完。

それに、自分なりに意見を練り上げ続けるには、適宜違うものをインプットする必要がある。同じ意見を言ったり聞いたりすることほど、つまらないものはない。



以上です。



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