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秋の終わりに感じること

気づいたら新年初の投稿でした。今年もゆるりと書いていきます。

タイトルの通りのことを書いていこうと思うのですが、そもそも秋が過ぎてしまったよね、っていういきなりの出落ちです。

ま、冬でも関係なく書いていきます。


秋の終わり

毎年、プロ野球というものは秋の終わり際、ギリギリ冬に入る前にシーズンは閉幕するのですが、ポストシーズン(いわゆるCSや日本シリーズ)に進めば進むほどシーズンの終わりは伸びるのです。

今年の自分が贔屓に応援している千葉ロッテマリーンズは13年ぶりの2位に躍進して福岡でのCSにコマを進めたのですが、王者ソフトバンクに叶わず、敗退しました。
CSが決まった際に、とりあえずチケット買えなくても福岡行こう!(酒も美味いし(ここ重要))ということでロッテの実質最終戦を目の当たりにしました。

その時の感動は以前も記事にしたのですが、一人スタンディングオベーションをするくらい感動したものです。

その感動を味わったときに、ふと思い出したことがあります。それが秋の終わりに感じるもの。

それの既視感は2019年シーズンもありました。
Bクラスは確定していたものの、結果はどうあれロッテの最後を見届けようということで最終戦の西武戦を見ていたのですが、湧いてきた感情がありました。

このチームのこのメンバーでやるのはどうあがいてもその年その一年だけなんだ、という感情。

それはつまるところ、プロ野球選手は個人事業主であり、年単位での契約でそのチームでプレーするので、その契約が切れて、よそのチームや海外からオファーがあればそっちに移ることもできるということ。
(最たる例がMLBで、制度の違いはあれど、多くのチームでだいたい1年毎に選手が多く入れ替わっている。)

特に2019年では途中加入して大活躍したマーティンや、ロッテで珍しく30発放ったレアードがよそにヘッドハンティングされるのでは、ということで別れのときが近づいている、そんな感覚がありました。
(結果的に元主将の鈴木大地が抜けるという結果だった。)

このような感情が福岡での最終戦を前にしてよぎり始めました。

結果として、両方のチェンや内、大谷、細谷といった多くの選手がチームから去りました。
(多くのFA選手を抱えながらよく食い止めたほうだと思う。)

そんな中、9月にロッテに途中加入した澤村もその一人となりました。


突然のトレードで来た澤村

その知らせは突然でした。

香月との1on1トレードは年俸差もあり球界が騒然としていたのを覚えています。

思えば巨人ファンの友人によく「澤村トレードでくれんかね」と口々に言ってたのが実現するとは思いませんでした。

ただ、最後の方の巨人ではかつて守護神だったり200イニング投げた投手としての姿はなく、三軍で学生相手に投げたりしていたということもあり、ぶっちゃけ自分の中での期待値は高くなかったです。
(さらに素行面や、球団と揉めた話も記事では見かけたので内心は「大丈夫なのか?」という気持ちもありました。)

そんな澤村をロッテはいきなり即登板させるという粋なはからいを見せます。
それも1点リードの燃える展開で。

結果として三者三振に抑えるという「え? 普通にハイレベルで戦力じゃん」と全ロッテファンのハートをがっちり掴みました。

中でも、ユニフォームが間に合わず、球団スタッフの106番というポケモンのサワムラーの図鑑番号で抑えるという。

個人的に感動したのが、その球団スタッフはプロ入り後一度も一軍に上がることなく引退したということもあり、澤村によって間接的に一軍のマウンドに上がることになるというドラマ付きなのが胸アツ。

(その後のヒロインで「ロッテのためにこれからは腕振ります」というセリフには涙しました)

そのまま澤村は八回の男として守護神益田につなぐ重要なポジションを担い、ロッテの一時は首位奪取、最終的には2位に導きました。

個人的にここ2,3年のロッテは最終回の九回に投げる人はいても、八回に投げる投手がことごとく失点し、追いつかれて逆転するケースが多かったのでこのポジションで投げてくれるのは本当に貴重でした。


完全にファンとして好きになった澤村

最終戦となったソフトバンクとのCSで最後の最後に自己最速の159㌔を叩き出したときは、あの三軍で落ちぶれかけてた選手がここまで進化できるんだとうるっときたのを覚えています。

そう、ここまでくるとお察しの通り、完全に選手・澤村の虜となっていたのでした。
やはりあのロッテにはあんまりいないバッタバッタと豪速球とウイニングショットで三振を奪っていく投球スタイルは元高校球児として憧れないわけがありませんでした。

そんな澤村ですがシーズン終わると海外FAを行使し、学生時代からの夢であったMLBに行くということです。

そして今日にもボストン・レッドソックスと契約合意が報じられたとあり、ロッテ退団が秒読みとなりました。

で、

なんやかんや十数年ロッテを追っかけてきて、ものの三ヶ月でここまでファンの心を掴み、多くのファンからMLB挑戦を後押しされた選手がいたものかと思いました。

と同時に、これが特定球団を応援し続けることの面白みなんだなとも実感しました。


特定球団ファンであることはその球団のストーリーの読者

ここ数年ロッテを応援していて思うことは、
特定球団を応援するということは、その球団の、その選手の物語をじっくり、況してや没入感も加えて味わえるということが楽しいんだなということです。

自分がロッテを応援し続けるということはある種、連載漫画やお気に入りの小説の続刊を読むのと非常に同義だということです。

当然毎年違ったドラマがあります。
例えばロッテが非常に弱かった2017年でも、チームが変わらなければいけないきっかけとなったり、
2018年も新監督の元始動し始めたいわゆる新章開幕。
2019年もあと一歩でAクラスも、上位との差をまだまだ感じながら6xなどの奇跡はあったりということです。

2020年も2020年で、澤村のくだりもめちゃくちゃドラマでしたし、コロナ集団感染に見合うも最終的に2位まで躍進したこともドラマでした。
(もうそれ以上にも多くの見どころがある)

そんなこんなで今年もどうなるのか非常に楽しみですね。

澤村の穴を誰が埋めるのか、そして海を渡った澤村がどんな結果を残すのか、全てを一人の読者として楽しみにしながら開幕を待とうと思います。


最後に

澤村が来たことで、球団の本気度もすごい伝わりましたし、読売巨人側の「選手を腐らせるくらいなら主力クラスであろうとよそで復活を期待する」という姿勢にも感銘を受けました。
(昔のロッテなら白嗟承とか取って補強した気でいた)

澤村にとって学生時代から巨人orメジャーというくらいかつての夢を叶える、年齢的にもラストチャンスだと思うので、ボストンでもロッテファンの心をガッシリ掴んだあの投球を見せてほしいと思ってます。

巨人時代のあこがれの上原浩治が所属していたレッドソックスに行けるなんて、本当になろう系の主人公まんまじゃん、とさえおもいます。


それでいて、なんだかんだソフトバンクに負けたこと、優勝に届かなかった心残りやどうやれば勝てたか、などが未だ反芻すると上原とのコラボ動画で言っていたのを聞いて、本当に自分が最初に抱いたイメージとぜんぜん違うとっっっっっっても素晴らしい選手だなと思いました。

今年からは日本では千葉ロッテマリーンズを、アメリカではボストン・レッドソックスを応援しながらあの福岡で見た159㌔をもう一度また見たいと思います。

(↓この記事を書こうと思って空を見たら見つけた飛行機雲。きっとボストンにも繋がっている)

そして、MLBで色々やり遂げたら最後に千葉ロッテマリーンズに戻ってきて背番号14か57かわかりませんけど付けて、もう一度感動を与えてくれたら、というのが、一ファンであり、澤村拓一というストーリーの一読者である、自分のひっそりとした願いです。

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