マガジンのカバー画像

クラシカルサクソフォンあれこれ

4
運営しているクリエイター

記事一覧

ヤマハサクソフォン プロ仕様のカスタムシリーズにバリトンサックスが仲間入り

ヤマハのサクソフォン、カスタムシリーズにおいて初のバリトンサックスYBS-82が発売される。アメリカのウェブサイトBENZIGAにて、3月7日に発表された。ヤマハ・コーポレーション・オブ・アメリカのウェブサイトにはすでに商品ページが作成されている。 ヤマハカスタムシリーズは、いわばヤマハ管楽器の最高水準モデル。サクソフォンでは以前からソプラノ・アルト・テナーサクソフォンが名を連ねている。今回ここにバリトンサクソフォンが加わることで、4本のサックスが出そろった形になる。 Y

自由な音楽の海を泳ぐサクソフォン奏者、ジェス・ギラム

イギリスにはジェス・ギラムという、若いサクソフォン奏者がいる。 わたしが彼女の演奏に触れたのは、2019年秋。フランス六人組を演奏するコンサートの一環で来仏し、ミッコ・フランク指揮フランス放送交響楽団とともにミヨー『スカラムーシュ』を演奏したときのことだ。 クラシカルサクソフォンが盛んなパリに、国外の若手演奏家が乗り込むとは、さぞかし実力派なのだろうとと期待しながらラジオフランスに足を運んだ。 ジェスはアーティスト写真と同様、パンツルックで舞台に登場した。2楽章ではテン

プチフォレ、初の海外公演。名古屋からパリへようこそ。

2019年3月26日(パリ15区フレデリック・ショパン音楽院) プチフォレとは、サクソフォン奏者の小森伸二先生と、その門下生によるアンサンブルです。現役の学生だけでなく、卒業生も交えて、毎年年度末に演奏会が行われています。 5回目となる今年度は、ふたつの演奏会が企画されました。ニコラ・プロスト氏をゲストに迎えた名古屋公演、そして、有志メンバーによるパリ公演です。 わたしはもともと、名古屋で8年ほど小森先生に習っていました。いまは小森先生の元を離れて3年目、パリ近郊のサン

サン=サーンスがサクソフォンを取り入れた作品を作曲していた? 常識を破る再発見

フランスのサクソフォン奏者 ニコラ・プロストが自身のFacebookにて、まだ誰にも知られていない楽譜の入手を公表した。楽譜はカミーユ・サン=サーンス(Charles Camille Saint-Saëns,1835-1921)の作品で、サクソフォン四重奏と声楽5部、弦楽器、オルガンの編成だという。 その作品はPsaume 136 "Super Flumina Babylonis"、日本語訳で詩篇唱第136番「バビロンの川のほとりに」のタイトルとなる教会音楽。プロスト氏によ