見出し画像

美心 ーbijinー #0.3〜大きな挫折〜

みさこ:私は22歳が大きな挫折であり転機だった。ニュージーランドの大学卒業直前で、恋人の命が奪われて私は生き残るという車の事故に巻き込まれて、22歳から苦しい苦悶の時代が始まった。

茉莉花:ニュージーランドで就職したんだよね?

みさこ:そう。事故に遭う前はまだ就職先も決まっていなくて、彼と一緒に卒業後も暮らして仕事を見つけていけばいいやという気持ちでいたときに、本当に全部なくなっちゃって。彼がいて自分がいて、彼を通して私の夢があって、おじいちゃんおばあちゃんになるまで二人で描いていたくらい、彼が全てだったしとても愛されていたから、彼がニュージーランドでずっと暮らしていきたいと言っていた夢を私が継いでいくしかないと言う気持ちになって。卒業後は残り数か月あった学生ビザで現地で就職活動することにしたの。

茉莉花:就職活動はどうやったの?

みさこ:当時はネットで探しながら、地方新聞とかの「Wanted(募集)」のところに自分で「私は日本人です。大学卒業しました。仕事を探しています」って載せてみたりして、現地企業から連絡があったこともあったよ。最終的には、ダメもとでオークランドの日系旅行代理店HISに直接レジュメ(履歴書)を送ってみたら、ちょうど産休に入る社員の方がいて、運よく私がそのポジションに入ることができた。もともと国際関係学を専攻していたから仕事との関連性でワークビザもスムーズで、会社がすぐに手続きしてくれて。両親を安心させてあげられたかなって思ったよ。

茉莉花:恋人と死別した直後だったけど、精神状態はどうだったの?

みさこ:泣きながら就職活動してたよ。毎日、精神はズタボロなのに、生きるために、ここで暮らしていくために、私はどこでもいいから仕事先を見つけてビザを延長しなければという思いで。毎朝毎晩泣きながら仕事探し。でも最後まであきらめなかった結果、すごくいいところに就職ができて本当によかった。

茉莉花:HISはいつまで働いたの?

みさこ:7ヶ月でやめちゃった。仕事は充実していたんだけど、その時に、住んでいたところが空き巣にあったの。実は3月から半年間で3回も住処を変えてて。


TEXT MISAKO

美心プロジェクトInstagram: http://instagram.com/bijinproject88
プロジェクトメンバー:藤城 茉莉花山田 みさこ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?