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「チームPerfumeによるライブ」 これってもしかして、UXデザインになりませんか?

UXデザインの定義やあるある、持論等は、Twitterのタイムラインに日々上がってくるのですが、「結局、UXデザインによってどんなアウトプットが出たの?事例は?」となることが多いので、日々の生活で感じた「これってもしかして、UXデザインになりませんか?」を、拙い文章と想像力で書いていきます。


「チームPerfumeによるライブ」=UXデザインのお手本?

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今回取り上げたいのは、「チームPerfumeによるライブ」です。
私は、Perfumeこそ、UXデザイナーの鑑(模範)なのではないかと考えています。

かれこれ50以上のアーティストのライブに足を運び、Perfumeのライブが突出して満足度が高く、何故かを考え、上記の結論に辿り着きました。

Perfumeの3人とスタッフを含む「チームPerfume」は、ライブ中のパフォーマンスだけではなく、ライブ前後を含めた「Perfumeのライブに行く」という体験の中で、観客がどんなニーズ、感情があるかを考え、観客が思い描く理想と現状のギャップから課題を抽出し、PDCAサイクルを(きっと)回しているのです。

ここでは、そんなチームPerfumeが取り組んだ改善施策の中で、取り入って私が感動した3つの事例を紹介します。



①座席の話


課題:座席が遠くて、Perfumeが見えない
Perfume に限らずですが、アーティストのライブに参加する大半の人が気にするのが「座席」です。「せっかくアーティスト本人を目の前で見れるなら、少しでも近くで見たい・・」というのがファンの心情(今は規制されたが、ステージに近い席が高値で売買されていたのもそういった欲求が背景にあるはず)。 特にPerfumeのような有名アーティストになると、会場の大きさが幕張メッセや代々木体育館、東京ドーム等、 1〜3万人程が入る大型会場での実施のため、観客の大半がアーティストのパフォーマンスを目視では確認できず、巨大スクリーンに映る映像を見るなんてことが多いです。そんなことを気にしてか、チームPerfumeが考案したのがこちら、はい、ドン!

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改善施策:ステージの位置を会場の中心に配置する
図解してある通り、ステージ位置を大幅に変更することで、どの席でもPerfumeのパフォーマンスが見易くしたのです。中心だけだと、両端の観客には見えにくいので、出島スポットにPerfumeが足を運びパフォーマンスをするという粋な計らいもありました。座席の良し悪しによって生じた不満も、このステージ位置の変更によって、ある程度解消され、ライブの満足度が高まったのではないでしょうか。


②銀テープの話

課題:あ、銀テープだ!でも、このエリアには降ってこないんだ・・
ライブ終盤で良くあるのが、アーティストのロゴ等が刻印された銀テープが天井から降ってくる演出(画像はベビメタ)。

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多くのファンがライブの思い出に持って帰りたいなあと思うはず。ただ、これも座席によっては銀テープが降ってこないエリアがあるんです。そんな声が多かったのか、チームPerfumeがこれに対して実施したのがこちら、はい、ドン

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改善施策:会場出口に銀テープを置く
「あぁ、今回も銀テープ降ってこなかったなあ」と思った矢先に、会場出口に銀テープがぎっしりと置かれたテーブルが!!!多くの人が1枚記念にと持ち帰っていってました。非常に些細な取り組みかもしれないが、こうした細かい配慮にチームPerfumeのファンへの愛を感じ、感動しました。


③ライブTシャツの話


課題:ライブTシャツカッコイイけど、使い道が限られるなぁ
ライブといえば、グッズ。多くの人がライブTシャツやタオル等を購入して、気持ちを高めます。ただ、ライブ後にライブTシャツを身にまとう機会は少なく、大半が部屋着と化すのではないでしょうか。仮にライブTシャツを既に持っている層が次のPerfumeのライブに参加する場合、「もうPerfumeのライブTシャツは持っているし、あんまし使い道もないしなあ」と考え、新しいライブTシャツを購入することを断念している人が一定数いるはず。3000円~5000円も払ったのに使い道が限られているのは勿体無いという観点と、そもそもグッズは収益を大きく左右する要素なので、ライブ運営側としても大きな痛手であったのか、チームPerfumeがこれに対して実施したのがこちら、ドン。

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改善施策:私服でも着れるデザインにする
従来のライブTシャツに加えて、普段着としてでも使えるようにとシンプル且つお洒落なデザインのライブTシャツを作ったのです。特に顕著に表れているのは、ツアーライブ等でよくある出演日と会場名のリストをTシャツ裏側に記載するデザインを消したこと(Perfumeは初期段階からこの部分の強調度は控えめでしたが)。

結果、PerfumeのTシャツを着て、学校、会社(まだ、自分以外に見たことがないですが)、旅行等に行く人を見かける機会が増えました。加えて、これは副次的な効果かもしれないですが、PerfumeのライブTシャツを私服として着て出掛けた結果、出先で会った人(Perfumeファン)が、「あ、それって・・・!」とTシャツに気づいて、コミュニケーションが生まれるきっかけになったこともありました。


まとめ

以上が、チームPerfumeがライブにおいて実施した改善施策のほんの一例です。まとめると下記になります。

【座席の話】
課題:座席が遠くて、Perfumeが見えない
改善施策:ステージの位置を会場の中心に配置する(座席位置を平等にする)

【銀テープの話】
課題:あ、銀テープだ!でも、このエリアには降ってこないんだ・・
改善施策:会場出口に銀テープを置く

【ライブTシャツの話】
課題:ライブTシャツカッコイイけど、使い道が限られるなぁ
改善施策:私服でも着れるデザインにする

※いずれも根拠が弱いので、あくまで想像で書いていることをご了承下さいmm

チームPerfumeは顧客思考を持って、ライブ全体における課題をアンケートや振り返りから定義し、解決に向けたPDCAを(きっと)回しているのです。少なくとも、Perfumeのライブに行き始めて約10年経つ1人ファンの目からはそうした細かい改善、変化を感じます。

もし、あなたがライブのUXデザイナーに任命されたらどんなことを考えますか?楽曲、衣装、ステージの装飾、映像、照明とライブパフォーマンスそのものだけに目が向いてしまうのではないでしょうか。同様のことが、様々な職種で起きていると思っており、例えば、私はWebデザインに関わるお仕事をしておりのですが、どうしてもUI、ユーザビリティだけに閉じてしまいがちなんですよね(ここはこんな色にして、こんなデザインにしましょうみたいな)。UIだけではなく、メールやアプリPush、問い合わせ対応、FAQマニュアル、など、様々なタッチポイントを考慮して、サービス利用体験全体を考えていくべきだなと最近Perfumeのライブ見て改めて思いました(ハードルが鬼高いのは度外視して)。


「チームPerfumeによるライブ」、これってUXデザインになりませんか?


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