私のインターネット人生の幕開けがケロロ軍曹に導かれた話
今時どこの家もそうだろうが、私の家にはパソコンが置いてある。厳密には父親のものなのか知らないが、まぁ家族共同で使うとしたパソコンだ。MONO心ついた時からそこにあったパソコンは面白い遊び道具の一つだった。
ひらがなとカタカナ、あと漫画ドラゴンボールで覚えた分の漢字が読めるだけの頭でなんとなく使っていた。使えるのはマウスだけ。キーボードが何なのか知らない。何やらそれで文字を打つらしいが、ボタン多すぎ。しかも全部英語やん。一生使えんモノじゃん。
だから自分ができるのはクリックだけ。画面の押せそうなところを押すと進む。「戻る」を押すと戻る。めちゃくちゃ受け身。今思うと、あれこそが純粋なネットサーフィンな感じある。
でも、大人がキーボードをどうにかして画面に文字を入力する姿は羨ましかった。ドラマに出てくるハッカーほどカチャカチャは言ってないが。
それにその頃我が家ではケロロ軍曹がブームだった。DVDみたりCD聞いたりケロロのハッピーセット集めたり。
当然インターネットにもケロロ軍曹のコンテンツはあって、ケロロのゲームみたいなのやってた気がする。
でも[ケロロ軍曹 ゲーム]なんて入力して検索することなんてできない。だから行動範囲は限られる。
パソコンを点ける→インターネットエクスプローラーを開く(そこ以外が何のアイコンなのか知らない)→Yahoo!の左にある ☆お気に入り からケロロのサイトを開く(親が追加した)→遊ぶ これを繰り返す毎日。
そんなのを繰り返すうち、鬱憤がたまってきた。他にも面白いことはあるはずなのに、どうしてこれしかできない?
大人はキーボードで文字を打つけど、よく考えたら日本語を入力してるな?え?ボタンは英語しか書いてないぞ?いや小っちゃくひらがながあるな。そこで打つのか?「あ」って打ってみよう…………「あ」どこ?!え、ローマ字?何それ。
ううむ。わからない。どこで検索するかは分かるのに。あれでしょ?検索って書いてあるところでしょ?
朝、家族より早く目が覚めてパソコン一人占めするのはいいけど、結局大人がいないと何もできない。これじゃあ検索するところも適当な英語を打つだけの落書きメモでしかないじゃないか。
そんなことを思いながら、早朝家をウロウロしていたとき、寝室に貼ってあるポスターが目についた。どこで手に入れたか、でっかくケロロ軍曹が書いてあるポスター。…ん?
ケロロの横に書いてある文字。「KERORO」とある。英語。そうそう。これは「けろろ」と読むのだ。なんとなく分かる。…………………あっれぇ??!!
英語だけで、「けろろ」って書いてある?!もしかして?!英語しか書いてないボタンで、日本語打てるってこと?!え??!!
さっそく試す!!Yahoo!の検索って書いてあるところをクリック。ほっそい線が点滅する。こうすると文字が打てるのは知っている。
そこに、キーボードから探した文字を打つ。…「K」…「E」…「R」…「O」「R」「O」…。あれ、ひらがなじゃない。でも構わない。ポスターにはこう書いてあったのだ。何かが起こるはずだ。
…[検索]!
一番上に表示されたサイトをクリック。するとどうだ。☆お気に入り からしか入門することのできなかった、あのサイトに繋がっているではないか。
えらく嬉しかった。それが私の人生で初めて、身に降りかかった謎を解き明かした瞬間だった。
遠い昔の事だが、あの感覚が今の人格形成に大きく関わったことは間違いない。
その後母にこの嬉しさを喋ったけれどイマイチ伝わらなかった。その頃の私の拙い語彙のせいか母の性格のせいか知らないが。今思い出してもちょっとムカつく。手柄を蔑ろにされた探偵とかってああいう気分な気がする。褒めれ。
まぁとにかく、子供が嬉しそうにしてたら褒めてやろうねって話です。終わンコフ。
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