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オウムはなぜ人間のように喋ることができるのか

オウムの脳にある特殊な構造

ほとんどの動物は鳴き声などでコミュニケーションをとることはできても、人間のように言葉を喋ることはできません。
しかし、オウムなどの一部の鳥類は人間の言葉を真似ることが可能ですね。
一体、ほかの動物となにが違うのでしょうか? 

ご存知の通り、オウムの喋る能力は、言葉を理解して発している訳ではなく、私たち人間が喋るような音を真似て作り出すという能力です。
オウムは調音できる舌を持っており、その舌を口の中で動かすことで振動数を変えて人間の声のような音を作り出すことができます。また、違いは舌だけではなく、オウムは特殊な脳を持っています。

鳥には鳴くための音を作り出す能力が備わっていますが、オウムには、“新しい発声法を作り出す能力”も備わっています。また、それだけではなく、オウムの神経機能などが、あのような卓越した声帯模写を可能にしています。

発声学習の能力を持っているのは、ハチドリ、鳴きドリ、そしてオウムのたった3種類の鳥だけです。

まったく異なる鳥にも関わらず、ハチドリ、鳴きドリ、そしてオウムには、共通して脳内に7つの神経の塊があります。それをsong nucleiと呼びます。

ほかの鳥類にはsong nucleiが見られないため、科学者たちはこの鳥たちが発声学習を可能なものにするために持ったものだろうと考えています。

2015年の研究で、研究者たちが様々なオウムの脳を調査したところ、すべてのオウムにsong nucleiを囲んでいるさらなる層、または核細胞があるということを発見しました。
これらはハチドリや鳴き鳥は持っておらず、オウムだけが持っており、この細部の違いは声帯模写に関する能力と相関があるようです。

なぜ人間の声真似をするのか

オウムは子育てするときに、オスとメスでの夫婦になりますが、まわりに鳥が多いと、自分の相手がどこにいるのかわからなくなります。

そのとき、合図として使われる「ラウドコール」という鳥ごとに違う特別な声があるそうです。相手を呼ぶときには、その相手の「ラウドコール」を真似して鳴き、相手の返事を待ちます。

そのため、人と一緒に生活している鳥は、話しかけてくる人間を仲間だと思って、人の声を真似していると考えられているそうです。

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