逆さ吊り状態の影響

幼少期に校庭にある雲梯で誰が一番長く逆さまにぶら下がっていられるかを友達と競ったことはないですか？

頭に血が上っていくのを感じて、かなり不快感を覚えるので、耐えられるのは数分間かもしれません。もしくは、「降りないと頭が爆発する」とかそんなようなことを大人に言われたかもしれません。実際2〜3時間、あるいはそれ以上ぶら下がってしまうと、死に至ることもあります。

報告された事例によれば、逆さまの状態で死亡した人々は、何らかの理由で逆さまの状態から解放されなくなったケースが多かったです。たとえば、アメリカのユタ州の男性は洞窟内で動けなくなり、28時間後に死亡したそうです。

検視官は、頭を下にした状態での死を "reverse suspension" もしくは "inverse suspension" と呼んでいますが、まだそのメカニズムははっきりと解明されていません。

逆さまになると、肝臓や腸が肺に余分な圧力をかけ、呼吸困難を引き起こす可能性があるという医師の説明があります。それ以外にも、心臓の問題が原因であると言われています。体が180度回転すると、通常よりも多くの血液が心臓に戻り、心臓からの血液の送り出しが難しくなります。

その結果、心臓は体中に血液を供給できず、心不全に陥る可能性があります。逆さまになると心臓への負担が増加すると仮定すれば、この不運な状況に陥る高齢者や心臓疾患の人々が、比較的短い時間で亡くなる理由が説明できるでしょう。

また、脳への血液供給量が増加し、血圧が高くなるため、血管が破裂し脳内出血を引き起こすことがあります。しかし、不思議なことに、科学捜査官はこれまでの逆さまによる死亡例で脳内出血をほとんど観察していないそうです。

さらに、死に至らなくても、逆さまにぶら下がることは目にも悪影響を及ぼすことがあります。眼球は液体で満たされた球体であり、光を取り込むことで視覚を提供しています。逆さまになると、眼球にかかる圧力が増加し、一時的な視界不良が報告されています。

このような結果から、雲梯の逆さ吊り競争はかなりの危険性があり避けるべきでしょう。