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【シカゴでバードウォッチング!】ミシガン湖に長良川の鵜???

20数年前に鵜を初めてアメリカで見た時思わず口を突いて出た言葉は、「長良川の鵜??ここは、ミシガン湖なのに?!」でした。

まだバーディングを全く始めていない時だっとはいえ、鵜→長良川という非常に短絡的な思考経路しか持っていなかった私。今思い出すと、穴があったら入りたくなるほど恥ずかしくなります。

日本で鵜飼いに使う鵜は、ウミウだそうですが、ウミウは英語でJapanese Cormorantで、もちろんアメリカにはいません。日本でよく見られるカワウ (Great Cormorant) もアメリカではあまり見られないようです。日本で長良川以外に鵜がいるということも、バーディングを始めるまで気がつきませんでした。二子玉川の駅のプラットフォームから見える多摩川にもいるし、東京港野鳥公園にもいるんですねえ。ちゃんと目が二つあるのに、世界のほとんどが見えていないんですね、私は・・・。

私がミシガン湖で見て驚いた鵜は、Double-crested Cormorantというアメリカに数多く生息している鵜でした。バーダーであれば、「なあんだ。またDouble-crested Cormorantだ。」とちょっとがっかりして呟くような普通の鳥です。

Double-crested Cormorantという名前は、繁殖期に冠羽 (crest)が現れるからつけられたそうですが、ツンツン頭と言えるほどではないようで、私はまだ見たことがありません。この鳥を遠くから見ると全身黒茶っぽく見えるんですが、近くから見ると嘴の根本から顎にかけてオレンジ色があり、チャームポイントになっています。

まだ黒くない若鳥のDouble-crested Cormorant     ©Dan Lory

このDouble-crested CormorantもCanada Gooseのように雁行するんですよ。このスラリとした姿の黒い鳥たちが一直線に並んでミシガン湖の上を次々に飛んでいく光景は素晴らしいです。Canada Gooseの雁行はあまりにありふれているので主人は写真を撮っていませんでしたが、Double-crested Cormorantの雁行の写真はありました。

雁行しているDouble-crested Cormorant     ©Dan Lory

でも、Canada Gooseのように大きい声では鳴きません。Double-crested Cormorantの鳴き声を聞いたことがなかったので、All About Birdsのサイトで聞いてみてビックリしました。まるでおじさんのゲップか豚の鳴き声のようでした。(笑)これなら聞きたくないわ!

Double-crested Cormorantも、日本の鵜と同様に翼を広げて乾かします。その時の姿はなんだか大きい蝙蝠が羽を広げているように見えませんか。一度ミシガン州で、ミシガン湖に向かう小道を夕暮れ一人で歩いていた時に、あまり高くない枯れ木の一番上に大きな黒い鳥が羽を広げて静かにとまっているのが目に入り、私は一瞬先史時代の鳥の恐竜がいるのかと思い縮み上がりました。鵜だったんですが、向こうは私を見ても平然と翼を乾かし続けていました。

翼を広げて乾かしているDouble-crested Cormorant     ©Dan Lory

日本には鵜飼いがありますが、自由の国アメリカでは鵜は自由に飛び回っています。よかったですねえ、Double-crested Cormorantたち!

大きい魚を食べる自由を謳歌しているDouble-crested Cormorant     ©Dan Lory




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