【シカゴでバードウォッチング!】 American Goldfinch オウゴンヒワ
American Goldfinch (オウゴンヒワ) について書こうと決めてこの記事を書き始めたら、庭のバードフィーダーに初めてAmerican Goldfinchが来ました!!あまりの偶然にビックリ。まるで「やっと私たちについて記事を書いてくれることにしたのね。」と言っているようでした。
American Goldfinch については、「鳥が脱皮???」という前出記事 に換羽の一例として少し書きました。普通Finchの仲間は一年に一回換羽しますが、American Goldfinchは年に二回、夏の終わりだけでなく冬の終わりにも換羽します。
今はまだ冬の羽で、喉の辺りに少し黄味がかっている部分はあるものの、体は全体に薄茶色になり、翼もベージュと黒になっています。嘴だけでなく脚もダークグレーになります。嘴も脚も体に合わせた色に変えるなんて、なんてオシャレなんでしょう!
American Goldfinchは、スズメ目アトリ科の鳥で、アメリカ合衆国、カナダ、メキシコに生息していて、残念ながら日本にはいません。シカゴには一年中いて、華氏0度(摂氏マイナス17度ぐらい)になっても群れで元気よく飛び、地面に下りて餌を探しています。鳥が少ない冬にほとんどいつも姿を現してくれるという頼もしい小鳥で、バーダーにとって嬉しい存在です。そのわりには、「あ〜〜あ、またGoldfinchか!」という落胆の言葉をよく聞きますが。
これからの時期、American Goldfinchを見る楽しみは、いつ頃から換羽が始まって、いつ頃繁殖期の綺麗な羽に生え変わるのかを観察することです。
5月ごろからの繁殖期の雄は下の写真のように衣替えをします。別人ですよね。
嘴の根元から額にかけて黒い部分があり、体は鮮やかな黄色で、黒い翼に少しだけの白い筋。嘴は薄いオレンジ色で、脚はピンクっぽいです。体が鮮やかな黄色になるため、「ワイルドカナリア」という別名も付けられているようです。この艶やかな姿になると、どこからでもすぐにAmerican Goldfinchを見つけることができます。
一方、雌は他の鳥同様、一年中地味です。
換羽をして体の色が変わっても鳥の習性はもちろん変わりません。American Goldfinchの飛び方は独特で、よく群れになってローラーコースターに乗っているように波状に飛んでいるかと思うと、突然全く違う方向に飛んで行ったりします。飛行中によくお互いに鳴き声を発してコミュニケーションを取っているようです。そうじゃないと、群れがバラバラになってしまいますよね。
つがいになったAmerican Goldfinchは飛びながら同じ歌を歌うそうです。お互いに教え合うんでしょうかね。そして、雌が巣の場所を選び、巣作りをし、自分一人で卵を温めます。ワンオペかと思ったら、雄は雌のために餌を運んできて、雌が幼い雛たちにその餌を与えるらしいです。ここまでは、きちんと分業が決まっているようですが、雛たちが少し大きくなってくると、雄も雛に餌を与えるようになりイクメンになるとか。本能とはいえ、役割分担をちゃんと忠実に守っている小鳥たちに感心します。
完全菜食主義者で、Milkweedやアザミなどの種が好物で、種ができる頃合いを見計らって子作りと子育てをするため、普通の鳥よりも子育ての時期が遅く、8月から9月に雛たちが餌を求めてよく鳴いているのが聞こえます。
これから一ヶ月ぐらいの間、American Goldfinchの華麗なる変身ぶりを見るのが楽しみです。いそいそとバーディングに行かなくちゃ!
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