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老石に人生を重ねる


外で写真を撮った後に過去の写真の中から、また老石の写真を見つけて物思いにふける。


そして、再度、老石に心の中で問うてみた。


ジョージ  「人間はなんの為に生まれ、死んで行くのですか?」


顔面魚太郎  「小僧……お前は喰らう時、寝る時にいちいち理由を考えるのか?生きることになんの意味もない……ただただ時が過ぎ去るのを待つのみだ…」


草木の頭髪を持つ老石の横顔が、少し寂しそうに見えた……ような気がした。


人に知られてこその思い、人と一緒にいてこその人生だ。


俺も自分の思いを文章にしようと思わなかったら、この老石のように、ただただ時が過ぎるのを待つだけの人生だったはずた。


人に知ってもらうのは本当に幸せだ。


町中で、俺の話を聞いてもらおうとしても、ほとんどの人は立ち止まってさえしてくれないだろう。そして、数が少ないながらに立ち止まってくれた人も俺がいつものようなキザッたらしいオープニング話を始めた途端に足早に立ち去ろうとするはずだ。


それほど、他人に自分の話を聞いてもらうのは困難な事だと思う。


だから俺は、俺の文章を見てくれてる人が思ってる以上に、あなたたちに感謝してる。



毎回同じようなことでジタバタと苦悩してる俺の姿を、微笑ましく見てくれてる人の幸せを、俺は誰よりも祈ってます。

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