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母の新たな決意


私の母は胃癌です。
(初めて私のnoteを読んで下さっている方は、マガジン「母の記録」にて、これまでに母と私達家族に起こった出来事を記していますので、よかったらそちらの方も読んでみて下さい。)


2024年1月、今現在。
母が癌を発症してから約3年と4ヶ月が過ぎました。


年末の仕事を終え、母に会いに一度実家に帰った時の事です。一日のほとんどを寝て過ごす母が申し訳なさそうに『ごめんばってん、お正月来たっちゃ何も用意出来んよ』と私に言いました。『そんなん気にせんでよか、何か好きな物買ってみんなで一緒に食べよ。』

母はまた髪の毛が抜け、味覚があまりないせいか食欲も落ち、元々華奢な母は更に痩せ細っていました。それなのに足の甲はパンパンにむくみ、その上痛みで歩くのも辛そうでした。

『また髪の毛が抜けた、痛くて何もしたくない。』母が初めて私の前で弱音を吐き出しました。

『髪はまた生えてくるよ、この前もそうやったやん。足が腫れて痛いのは大変やろうけど自分でトイレにも行けてるし、早よ腫れが引いて痛みがなくなったらいいね。』目を閉じたまま私の話を聞いている母。涙が出て、そんなあたりまえな事しか母に言えませんでした。


お正月、家族みんなで実家へ帰ると、数日前に私が帰った時よりも調子が良さそうな母。起き上がってベットに座りみんなで食事をしました。孫に会えて嬉しかったのかもしれません。


実家から戻った後、長男が…『お年玉、じーちゃんとばーちゃんにもうちょっとあげたかったけど、お金持って行くの忘れとった』と言うので『お母さんに言えばよかったのに』と言うと『それは何か違う、自分ので渡したかった。ばーちゃんが元気になったら遊びに行けるようにお小遣いあげるけん、頑張ってって言っといて。』そんな事を長男が言うので、すぐその事を電話で父に伝えました。『元気になって、お小遣いもらわないかん。ばーちゃん頑張ってくるけん、って言っといて…ってお母さん喜んどらしたよ。』と、父から折り返し電話がかかってきました。

孫からの何気ない一言が、病院・入院嫌いの母の心を動かしたのでした。そして、入院をして治療をする事を決めたのでした。


#胃がん #母 #お母さん #孫 #ばーちゃん

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