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コンテンツマーケティングと専門用語


専門用語の壁

B2Bビジネスは専門性が高く、プロフェッショナルな用語が日常的に使われる傾向があります。しかし、これらの用語は読者、中でも入門者には大きなハードルとなり、新規顧客がユーザーとして成長するのを妨げる可能性があります。しかし、業界としては広く知られた専門用語が使われていないと、業界のプロフェッショナルとしての力量が疑われかねません。ではどうしたらよいのでしょうか。

ターゲットオーディエンスの設定

難解な専門用語を多用するのか平易な言葉に置き換えるのか? この大きな問題で鍵を握るのは、「ターゲットオーディエンスの設定」です。もし、自社のコンテンツマーケティングの成果として得たい結果が入門者や他業界からの新規参入者であれば、難解な専門用語は極力避けるべきでしょう。反対にハイエンドな製品やサービスのコンバージョンを目標として定めているとしたら、プロフェッショナル同志の会話として成り立つ用語のチョイスで構いません。逆にこのレベル感が合っていないと、入門者には使いこなせないハイエンドな製品やサービスの問い合わせが入るなど、ミスマッチが起こります。

ただ、一般にインターネットを活用してコンテンツマーケティングを行う場合、これまで取り込めていなかった属性のターゲットを狙う場合もあり、しばしば競合他社の牙城に切り込むケースも出てきます。もし、競合他社が入門者に向けた製品やサービスについても専門用語を多用した説明に終始しているなら、自社はとことん平易な解説に徹することで、自社の思いや特徴が明確に伝わり、共感が生まれ、やがて信頼感やブランドへのロイヤルティへと発展していくでしょう。

シンプルな言葉とたとえ話

もし、入門者や新規参入者を取り込むマーケティング戦略を重視するのなら、平易な言葉とともに、日常の生活や多くの人がイメージしやすい「たとえ話」を適宜取り入れるのがよいでしょう。内容が伝わりやすく、親しみがあるからです。

実践的なヒント

B2B領域での専門用語の使用に関しては、ターゲットオーディエンスの設定とコンテンツ制作チーム内でのレベル感の共有は必須です。外部または内部でライティングされた原稿をチェックする際、このレベル感が共有できていないと、不要な工数とストレスが生じるばかりでなく、目的とマッチしないコンテンツを発信することになりかねず、せっかくの苦労が成果に結びつきません。もし、可能な限りシンプルな言葉を選択する戦略であれば、それが公開までブレなく貫かれるよう、コンテンツ作成プロセスの見直しやチームの共通言語の確立が必要となります。また、定期的なフィードバックと改善を通じて、チーム内のコミュニケーションの質を向上させることも重要です。

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