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1分のスピーチでも30分のプレゼンでも人前でもあがらずに話せる方法

島倉 朝代 / 著

これで人前で緊張しない!あがり症を克服し上手に話すためのポイント

社会人になると、初対面の人と話したり、人前で話をする機会が増えます。「人前に立つのが苦手」「大勢の人の前で話すことに対する苦手意識を克服したい」という人も多いでしょう。

今回は「あがり症」を克服したいという方に向けて、鳥谷朝代・著『1分のスピーチでも、30分のプレゼンでも、人前であがらずに話せる方法』から「あがり症」の原因や正しい準備の仕方などをお伝えします。

私たちはどうしてあがってしまうのか?


どうして人前で話すのは緊張するのでしょうか。多くの人に注目されるとあがってしまうのはなぜなのでしょうか。

ほとんどの人は人前で話すのが苦手

実は、ほとんどの人はあがり症です。人前で話すときにまったく緊張しない人の方が少ないのです。「緊張するのは当然のこと」「自分だけじゃない」と思うと、少し気が楽になってきませんか。

「緊張するなんて自分はダメな人間なんだ」、などと卑下する必要はありません。あがり症はちょっとした工夫で改善します。ぜひあがり症の克服に向けて前向きに取り組んでみましょう。

よくあるあがりの原因は3つ

人前であがってしまう原因として挙げられるのは、次の3つです。

場慣れしていない
プレッシャーがある
準備不足である

場慣れしていない
あがりの原因としてまず挙げられるのが、「場慣れしていない」ということ。ほとんどの人は、日常生活で多くの人前で話す機会などそう多くありません。「非日常の体験」なので、緊張してしまうのも無理はないのです。

プレッシャーがある
プレッシャーも、緊張してしまう原因の一つです。とくに仕事の場面では、話すことが自分の評価に直結します。「失敗できない」「いい評価を得なければ」という気負いが、あがりにつながります。

準備不足である
話す内容に自信がないと、人は不安になります。あがり症の人は、準備不足・練習不足であることが多いです。

話が苦手な人の特徴と誤解ー緊張は「悪」ではない

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話が苦手な人に共通する6つの特徴

話が苦手な人は、次の特徴があります。

言い訳が多い
ネガティブな発言が多い
話が長い
無表情
会話のキャッチボールができない
間を恐れる

これらに思い当たることはありませんか。

言い訳やネガティブな発言が多かったり、まとまりのない話をだらだらとしたり、ブスッとして無表情で話したり。これでは聞いている人もいい気分ではありません。

間を恐れてたたみかけるように話し続けるのも、聞いている人は疲れてしまいます。一対一でも大勢に対して話すときでも、「コミュニケーション」を意識してテンポよく会話のキャッチボールをするようにしましょう。

話が苦手な人のよくある誤解

次のような間違った認識を持っているというのも、あがり症の人によく見られる傾向です。

緊張するのはよくないこと
場数を踏めばいつかは慣れる

話が苦手な人やあがり症の人は緊張を「悪」だと考えがちですが、これは間違った認識です。

緊張すると心拍数や血圧、体温が上昇し、体が戦闘態勢に入っている状態になります。

交感神経が優位になることで、集中力・身体能力が高まりパフォーマンスの向上につながるのです。適度な緊張はパフォーマンスの向上につながるとわかると、緊張を力に変えることができるようになります。

「とにかく場数を踏めばいつか慣れるだろう」というのも誤解です。何も対策をせずにただ人前で話す機会を増やしても、あがらなくなるわけではありません。

まずはあがりの原因を知り、正しい準備をする必要があります。それから実際に話す経験を積んでいくことをおすすめします。

話をうまく組み立てるには「型」を意識することが大切?


プレゼンやスピーチを上達させるには、話の構成が大切です。そのために、まずは「型」をマスターしましょう。

話をうまくまとめるには「話の簡潔さ」と「1テーマ」がカギ

話をうまくまとめるためのポイントは次の2つです。

短く簡潔にまとめる
テーマを一つに絞る

自己紹介や朝礼なら1分程度、乾杯なら30秒くらいがベストです。だらだらと長い話を聞きたがる人はほとんどいません。話はできるだけ短く、簡潔にまとめることを心がけましょう。

あれもこれもと話題を盛り込むと、話にまとまりがなくなってしまいます。話すときは、できるだけテーマを一つにし絞ることです。 

テーマを一つに絞るには、目的をはっきりさせましょう。「誰のために何の話をするのが目的なのか」を考えてみると、自然とテーマも絞れるはずです。

「シンプルな構成」を意識する

話の構成として「起承転結」がよく知られています。しかしこれは少し難しいので、よりシンプルな次の構成で組み立てるのがおすすめです。

序論 → 本論 → 結論

「序論でテーマについて触れ、本論で具体的な説明をして、結論でまとめる」という、三段構成で考えてみてください。

例えば結婚式のスピーチなら次のように組み立てるといいでしょう。

(序論)
 はじめまして、新郎の友人の◯◯です。今日は彼との思い出で特に印象に残っていることを話したいと思います。
(本論 )
大学時代に苦手な授業のレポートがなかなか進まず困っている私を見かねて、彼は隣でアドバイスをしながらずっと私のレポート作成に付き合ってくれました。二人で徹夜をして何とか期限内に提出できました。彼がいなかったら、私は留年していたかもしれません。
( 結論)
このように責任感があり優しい男性なので、きっと奥様のことも大切にされると思います。末長くお幸せに。 


「あがり」を克服するためには入念な準備がマスト


自信を持って話すには「下準備」が重要です。ここではあがり症克服に効果的な下準備を紹介します。

下準備1 原稿を用意する

その場で考えながら話すようでは、プレゼンやスピーチがうまくできなくて当然です。下準備として、必ず原稿を用意しましょう。

話すことを一字一句書いて、原稿を暗記する必要はありません。原稿にまとめるのは思考を整理するためです。原稿を書くと頭の中が整理されるので、スムーズに話ができるようになります。

そして、「しっかりと準備をした」という満足感は自信にもつながるのです。

下準備2 リハーサルをする

プレゼンやスピーチを成功させたいなら、入念なリハーサルを行いましょう。本番の成功はどれだけ準備ができているかで決まります。

立っているのか座っているのか、台座があるのかないのか。リハーサルは、なるべく本番に近い状況で行うのがおすすめです。

できれば、リハーサルの様子を動画で撮影してみてください。自分が話している様子を客観的に見ることで、自覚していなかった話し方や動作のクセなど、多くの気づきがあるはずです。

リハーサル動画を見る際のポイントは、自分ではなく、赤の他人だと思って見ること。そのほかにも、友人や家族に見てもらって感想を聞いたり、アドバイスをしてもらpたりしてもいいでしょう。

緊張を和らげるために本番で意識すべきことー直前までの練習は逆効果に


準備ができたらあとは本番。プレゼンやスピーチの当日は、次のことを意識してみてください。

雑談などで場を和ませる
待っている間は人の話を聞く
ジェスチャーを入れる

雑談などで場を和ませる
本番前には関係者と雑談をすると、場が和みます。会場には早めに入って、周りの人と名刺交換をしたり、世間話をして仲良くなっておくと緊張が和らぎます。

待っている間は人の話を聞く
また、自分の番を待っている間は、他の人の話を聞くと緊張が紛れます。自分の番が気になって、頭の中で練習したくなる気持ちはわかりますが、本番直前に焦ると、あがりが強まってしまいます。

ジェスチャーを入れる
話しながらジェスチャーを入れると、聞いている人を飽きさせず、話にぐっと引き込むことが可能です。実際にスピーチが上手な人は、手の動きを上手に取り入れています。

数字が出るときは指を立てたり、長さや大きさについて話すときは「このくらい」と手を動かして表現するなど、ビジュアルハンドを効果的に使ってみてください。

あがり症は克服できる

あがり症を克服して、人前で話すことを楽しめるようになった人がたくさんいます。人前で話すことで成長し、世界が広がることにつながります。これまであがり症で、人前で話すことを避けていた人も、一歩踏み出してみてください。

あがり症は、準備と工夫で克服することが可能です。この機会にコツを習得して、人前で話すことに対する苦手意識を払拭しましょう。

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<記事監修>

鳥谷朝代(とりたに あさよ)
一般社団法人あがり症克服協会 代表理事 株式会社スピーチ塾 代表取締役 心理カウンセラー NHKカルチャー、朝日カルチャー、よみうりカルチャー等話し方講師 中学1年生の本読みで、自身のあがり症を自覚。以来17年間、苦しみ続ける。 名古屋市役所の職員となった以降も症状は悪化。 精神内科の通院や催眠療法を試みたものの効果はなかったが、ある話し方講座と出会い克服。その後、「自分のようにあがり症で苦しむ人の助けになりたい」と思うようになり、2004年、公務員生活に終止符をうち、「あがり症・話しベタさんのためのスピーチ塾(R)」を開校。 メンタルだけでなく体から誰でも楽にあがりを改善する方法を確立し、アナウンサーや弁護士、経営者から学生、主婦まで広く指導、克服へ導いた受講生は65,000人を超える。2014年、全国初の元あがり症によるあがり症のための協会「一般社団法人あがり症克服協会」を非営利団体として発足、理事長に就任。全国各地のカルチャースクール、学校、企業・団体で年間200回以上の講演活動を行なう。 「あさイチ」「ZIP!」「まる得マガジン」「ごごナマ」などテレビ出演多数。オードリー若林さんやトレンディエンジェル斎藤さんの人見知り克服、カラテカ矢部さんのあがり症克服指導も行う。著書に、「人前であがらない人とあがる人の習慣」(明日香出版社)、「1分のスピーチでも30分のプレゼンでも、人前であがらずに話せる方法」(大和書房)、「人前であがらないスピーチ術」(NHK出版)などがある。


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