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部下に指示しても動かない!

ある製造業の企業の部長から「部下に指示しても動かない」という相談がありました。
部長には、その理由が分からないようなのです。

更には、部長から呼ばれると「何か頼まれごとされるのではないか」「この忙しい時に時間がとられてしまう」と、みんな、部長に近よらないこともあるとか。

あなたも部長の立場であれ部下の立場であれ、そんな経験はありませんか。

部下の方々の話を聞いてみると、部長側にも要因があるようです。
その一つが『言動が一貫していないこと』

部長の立場から言えば、指示を出したとしても、状況が代われば内容が変わることもあるし、要らなくなることもある。
ということなのですが、そんな細かい指示の内容が問題なのではありません。

もっと大きな方針だったりポリシーのように「芯」や「軸」と言ったものまで変えてしまうことに、部下の人たちは敏感に感じているのです。

例えば、その企業の製造部門では過去にこんなことがありました。

これまで「現場の現業が忙しくて生産技術や現場の改善に全然時間が取れない」という状況が続いていたので、製造部門の年初の方針として、「現場で現業をやる人と生産技術や現場改善をする人を分ける」という方針を打ち出し、これまで”製造部”として一つの組織だったのを現業をやる”製造部”と改善活動をやる”製造技術部”に組織も分けたのです。

ところが、その後 受注量が増えて”製造部”の人だけでは現場が回らない状態になり、納期遅れの恐れが出てきました。

そこで製造部長が出した指示が
「”製造技術部”の人も現場に入れ!」

それ以来、ずっと製造技術部の人たちは現場に入ったままなのです。

現場が忙しいときに、製造技術部の人たちが助っ人で入るのは、やむを得ない判断だったと思います。

しかし、「方針を守る」ということであれば、期限を切って現場の忙しさを解消する手立てを講じる必要があり、「方針を撤回する」ということであれば、年初と今現在との状況の違いなど納得できる撤回理由を示す必要があります。

部下の人たちから見れば、「結局、方針なんて気分次第で変わってしまうんでしょ。ということは指示を守っても意味がないよね」ということになっても致し方ありません。

まずは、方針やポリシーのような「芯」や「軸」を変えないこと。

気付かずにやっていることもあるので、一度、振り返ってみるといいですよ。

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、一度、振り返ってみるといいですよ。

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