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なぜ、現場は変わろうとしないのか?

コンサルティングで製造業の企業にお伺いし、「生産性を上げて売上と利益率を上げる」という目的に向かって改革活動を推進しています。

その企業の状況から、売上と利益率の向上のためにどうすればいいのかをメンバーと議論をしながら、「目指す姿」とそれぞれの部門で「これから取組んでいく内容」を、その企業の社員全員に知っていただきました。

いざ、各部門で改革の取組みを始める段になって、製造現場にいる社員の皆さんが取組みを始めようとしないのです。

現場も組立生産で忙しいし、納期も守らなければならないので、どうしても目の前の組立生産のほうを優先してしまうと思うのですが、どうもそうでは無いようなのです。

今回の改革活動は、トップ主導の活動なので、トップ目線の目的で、トップ目線のゴールを描いています。
そのこと自体は間違いではないのですが、製造現場にいる社員にとって、社員の目線で何が変わるのか、社員の目線で何が良くなるのかがいまいち分からないので「トップのため」「会社のため」というように見えて、やらされ感だけを感じてしまい、行動に移すための動機づけが持てなかったのです。

利益率が上がって、社員のボーナスに反映してくれるのであれば、動機づけになるのでしょうが、大企業では、そんなダイレクトに反映されることはないですし、やらされ感だけを感じてしまったのでしょう。

トップ主導の活動の場合、気を付けなければならないのは、どうしてもトップ目線でしか語らなくなってしまうことでしょう。
だから、社員目線で良くなることもあるはずですから、社員目線で良くなることも合せて資料化し、説明してあげることが必要です。
ものごとの見方として「鳥の目」「虫の目」「魚の目」と言いますが、トップ目線の「鳥の目」だけでなく、社員目線の「虫の目」と、それがどういう変化をもたらすのかという「魚の目」を上手く織り交ぜながら、改革活動を企画すると、全社の活動へと変化していきますよ。

もしあなたの会社が「なかなか改革活動が進まない」という状態だったら、一度、3つの”目”で見直してみたらいかがでしょうか。


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