カブトムシを殺さない

ヨシマサに紫帯授与することを発表したのが今年の11月くらい、昨日の12/10が彼の青帯最後の大会でした。

一回戦一本勝ち
二回戦一本勝ち
準決勝一本勝ち
決勝は一本負け
でした。
最初から最後まで練習通りのことをやり、練習してきたことを悔いなく試そうとしていてよかったです。負けた試合の流れも、練習通りの動きにチャレンジしてスイープ&バックテイクできそうな流れで、飛びつき十字が大好きなびっくりファイター相手にサクラバ的にグイっと腕をねじられて巻き込まれてびっくりアームロックで負け、前回の大会も決勝で東海大学柔道部の子に引き込みに合わせて足払いっぽくテイクダウン判定をくらってからレッスルアップしても場外に逃げられて最後は飛び付き十字っぽい感じのびっくりアームロックでタップした流れでした。
われわれトライフォースの柔術家が目指しているのは高レベルなオールラウンダーであって、修業時代である青帯のときにびっくりファイターのびっくりアタックにびっくりさせられるのはこれはもうしかたがないところではあります。修業中のオールラウンダーはとんがったファイターに弱いのは運命です。紫や茶帯のころには事故も減るでしょう。

ザ・不器用・ヨシマサにとっては「上にいたら上にいっぱなし、下にいたらひっくり返す」という柔術の原則・目的を示したあと自分で試行錯誤させ、自分の口から、技術的な幅を広げたい、と言わせることがいいのだと指導者として反省しました。技術は手段に過ぎないのです。試行錯誤しすぎて無駄に無駄を重ねて十年近く鈍行列車で行ったり来たりしたあとにトライフォースの特急列車に乗り柔術の神の研究結果を知って感動して以来、試行錯誤させずに答えを教えることや目指すべき柔術の全容や奥義をさっさと教えそのために今何をすべきなのかまで道筋を伝えることが指導者の良心だと思っており、その基本は変わりませんが、それが思い上がりだった部分もあるのでしょう。

カブトムシの幼虫をチクチク可愛がっちゃうと殺してしまいます。腐葉土の中で育ってるのか育ってないのかわからない幼虫がいい感じにサナギに育っていることを信じるだけです。
私は死んでも腐った葉っぱなんて食いたくありませんが、カブトムシさんたちもべつに甘いお菓子なんか食いたくないわけです。温室からでたら死ぬ花もあれば屋外で越冬しないと咲けない花もあるわけです。どちらに価値があるわけでもなく。

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