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Urgent Clarification / Project A / Customer name / Ref No 23455.....

朝食はバタなしのパンですませ、昼食用にもう一片のパンをポケットに用意したまま、すぐ役立ちそうにも思えない幾冊かの本を前にして、あの大読書室の机に向かっていたことを思い出すと、今さらのように慄然とするのである。古代哲学に関するぼう大なドイツ書を読破したのもそんなときであった。
飢えも忘れた。雨露をしのぐために帰ってゆく屋根裏部屋も少しも苦にならなかった。私はあのやせた、青白い顔の所為ねんのことを思うと微笑ましくなる。つまり、私のこと、私自身のことを思うと、諸君は問われるであろうか。否、否、あの青年はもう三十年も前に亡くなって、もはやこの世の者ではないのだ。

ヘンリ・ライクロフトの私記 / ギッシング


上記の文章を書いた最後 出典で" / "を打った時に、思わず仕事で利用しているメールの件名が浮かんでしまい、みょうちきりんな題をつけてしまいました。 / で区切りますねん…。貿易は毎日がトラブル大揉めパラダイスです。


「納期が早まらないとリキダメ(遅延賠償金)が発生するんだけど!?」「(UKの担当者、バカンスで再来週まで不在)」



毎日がこんな感じですので、みんなぶっこ…いいえ、未来ある若者にこの仕事はおすすめできないかナ…。

でも、がいこくの人の理屈が理解できるようになると…就職先はひろがる…のかも…そして、この理解がいつしか納得と共感になった途端にYouの居場所は日本企業に存在しなくなることでしょう。我々は日本の厳しい、無意味な品質チェックにおける規格外品となったのです。不良品ではない。あくまで我々は規格外品なのだ。


不良品…では…ない…はず…。



近頃、岩波文庫の「青」を購入する機会が増えている気がします。青少年時代に置いてきたと思っていた哲学への関心が再燃しているのでしょうか。埃を被って部屋部屋へ離散した哲人達を一か所にまとめてみようと思いたち、本棚に並べて眺めていると、早く一日八時間の「副業」は置いて「本業(哲学・文学)」に集中しなくちゃ♪とまで思えてきます。

ええ年になりましたが、前途には無数の積読が転がっています。畳み終わらない洗濯ものとも言う。いつになったら本腰を入れて英語の勉強をするんでしょうか。九鬼「偶然性の問題」はどうやったら読めるのか、師匠が欲しいとまで思っているのに。


そういえば、紀伊国屋の地下にモンスナックという有名なカレー屋さんが帰ってきたのだそうです。ここだけの話もう二回食べてます。だって今時あんなに美味しくてゴロゴロしっかりお肉が入ったポークカレーが750円…住みたい。紀伊国屋に住みたい…。

私はスパイスでカレーを作るのが大好きなので、兎に角新宿のカレーをきわめてお勉強しよ💛と思っているところです。ガンジーもクローブも美味しいんだ…。そしてかの中村屋のカレーは2000円するらしいと知って泣いています。

そして最近、西口のBook 1stを体験しました。いやこれがどーやってもたどり着けなくて…コクーンタワーに入って何度もエレベーターや階段を昇り降りし、最終的に半泣きで警備員さんに道を聞きました…。

ビルの外側から階段を降りていかないと入れないようなのですが、迷いに迷ってようやくたどり着いた店内は嬉しい迷宮でした。まさに螺旋階段の様に変則的に曲がりくねった構造の部屋から部屋へと本が拡がっていく空間は圧巻。今一番推しの大型本屋さんです。


偶然性にあって、存在は無に直面している。たまたま人生ですれ違うことで、あの人も、あの名曲も、あの街角も私たちの人生に立ち現れますが、たまたますれ違わなければ、あのコクーンタワーも帰りに見かけた素敵な喫茶店も、存在しない。



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