ゴミ捨て場の決戦をみた

あまりに短く、あまりに美しい。友と師弟、ライバルをきれいに表現した作品だった。

全体観

冒頭の両チームの特性を活かしたスピード感ある表現も、中盤のポイント感のやり合いも、面白くも心に刺さりつづけた。

試合のスピード感を保ちつつ、楽しい試合を続けたい。そんな両チームの高め合いが続く。点を取るだけじゃなく、どうやって強くなり、どう楽しむか、そこが試合の高揚感を高めていた。

音の表現

部活の試合会場には音が多い。客席の声援、ベンチやコーチの声掛け、相手コートの声。ボールが落ちたときの静寂はもちろん、ふとした瞬間に外からの音が消える。消えたときに引き込まれ、また音が戻ってくる。映画だからこそに効く静寂の使い方が強かった。他に形容しがたいから、強いと言った。

高まりをツラツラと

3セットマッチ、皆がつかれる中でのセンターオープンの飛翔。ドンと床を蹴りぬく音。疲れて疲れてもどうにか攻略の糸口を探し見つけた日向と影山。それに呼応して更にゲームクリアへの欲求が高まる孤爪研磨。ゲームは難しい。簡単にクリアできちゃつまらないけど、クリアがゴールだ。研磨が上がった分だけ、日向は上がって上がって飛び越えてくる。恐ろしいほどに研磨とぴったしな日向というライバル関係だ。そして、研磨を理解しきっかけになった黒尾。そんな彼らの関係を美しく描きながら、周辺の青春も光り続けている。

あー、すばらしい90分弱だった。

この短さが、もっとみたかった私と、もっと試合をしたかった彼らをつなぐ。


もっとみたい。

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