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警察官の職質~揺れるハイエース~

こんな場末の便所の落書きを読んでいる変な人なら必ずされたことがあるでしょう、それが警察官による職務質問。名前、住所、電話番号やらいろいろ聞かれた上、その後様々な秘密の照会までされて丸裸にされるあのイベントです。美人警察官にいろいろ聞かれるならまだしもいい年したおっちんに根掘り葉掘り聞かれてもうれしくもなんともないですよね()しかも大体は怪しいかなみたいな人とかに声かけるわけで。
 
そんな職質ですが、実際は職質のていであっても一般からの通報が元で声をかけることもままあります。田舎では夜中に人が歩いていることがないので、人気の無い公園で車をずっと停めている人に声をかけることも多かったです。いろんなことがありましたね・・・思い出しても楽しく悲劇的な・・・2つくらい思い出してみますか。
 
 
1 悲しい音楽家
 『ほぼ毎日夜に橋の上にとまっている車がある。自殺を考えているんじゃないか。』そんな通報があった。付近の住民が心配になって通報してくれたようだった。
そんなこんなで当直日の夜12時も回ろうかという時間帯、わたしは大川所長とパトロールをしていた際にそれとおぼしき車を見つけて声をかけた。
 
「たまにここに数時間車停めてるようですが、何をされてるんですか?」
 
40代半ばの男性だっただろうか、彼の手には尺八があった。下ネタではない。
 
「妻や子どもにうるさいと言われてしまって・・・外でしてきてと言われて車の中で練習を・・・」申し訳なさそうに彼は言っていた。申し訳なかったのはこっちである。あのときはすみませんでした。お父さん、強く生きて。
 
2 ハイエース
 『大学構内のハイエースが揺れている』そんなドキがムネる通報があったこともある。20代前半、血気盛んな年齢だったこともありとても興・・・逮捕しなければいけない使命感があった。けしからんけしからん。
 可及的速やかに現着すると確かにハイエースがちょっと揺れている気がする。犯罪の香りしかしない。よもやすれば中では薬の密売、違法賭博、まさかとは思うが枕投げなんかが行われているかもしれない。
「コンコンコン」
頭わるs・・・ヤンキーがよくやる運転席車内カーテンに隠された車内。動きが一瞬止まってまた慌ただしく動き出した。数回ノックしても返事もなかったが2分くらい経つと窓が開けられた。『(めっちゃ息切れしてるやんけワレェ)』思っても言わなかったが、通報があった旨を伝えて、普通に職質。後部座先の大学生の女子も職質。目線も合わせてくれなかった()
 
その男ちょっと前があるのでやめときなねと言っておけばよかったのか言わない方が当然良かったんだろうけどさすがに言ってない。あのノー○ア○○大学生は元気に生きてますか。
 
 
みなさんも普段使いでハイエース乗ってる男がいたら気をつけましょう。大体が車で致すことが好きな人で、残りはアウトドア好きで車で致すことが好きな人です。
 
 
 
この物語はふぃくしょんです。
 

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