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呪術廻戦 9巻 【ネタバレあり読書感想文】 伏黒甚爾の最期の呪い


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<あらすじ>
五条と夏油に課せられた“星漿体”の護衛任務は、伏黒を名乗る“術師殺し”の奇襲で最悪の事態に陥る。五条達は全滅と思われたが…!? 五条を最強に至らしめ夏油を造反に導いた在りし日の事件、その結末とは――!?

Amazonのページより




過去編。高校時代の五条悟と夏油傑。最強の2人。
日本の根幹を支える不死の術師天元様と同化予定の星漿体・天内理子。
2人は、彼女の同化までの護衛の任務に着き、狙いくる術師たちを退け、理子の最後の時間のために、ギリギリまで沖縄で共に楽しく過ごしました。
しかし、術師殺し・伏黒甚爾の策により、じわじわと追い詰められ、ついに五条は、甚爾の刃に貫かれます。

1.最強になった蒼き瞳


交戦の末、甚爾に切り裂かれ倒れた五条。
危機に追い込まれ、ついに呪力の核心を手にします。

全てを手にした心地よい開放感と共に宙に浮かび漂い、
甚爾を圧倒する。

最強になった五条。

彼が得たもの。
失うもの。
そして、
得たいと思うもの。

2.黄玉の挫折と闇堕ち


守るべき星を目の前で撃ち抜かれて奪われ、最強と思っていた二人の敗北。挫折。

自分が守るべき弱者が、少女の死体を、醜くも賛美する。

最強だった二人。
最強になれたのは、悟一人。
置いていかれ一人になった傑。孤独。

尽きることない呪霊とその討伐。
疲弊する体と心。
守るべき弱者は醜く、
止めどない思考は揺らぎ、澱む。
そこへ訪れた解、正しく誤った肯定。

昨日まで笑っていた後輩の死が、さらに彼を追い詰める。

隔離され、虐待され、殺されかける少女たち。
強者と弱者が反転する現実。

ついに、彼は、選択する。

3.捨てきれなかった自尊心。そして


元々この呪術廻戦という話は、主人公の祖父が亡くなるところから始まります。
祖父の最期の言葉は自分のような死に方はするな、というもの。
厄介な呪いをかけられた主人公・虎杖は、正しい死を求めて戦います。

そして、この過去編では、また別の、一人の男の死に際が丁寧に描かれます。


親を恨み、家を憎み、世界を呪い、人を殺して生きてきた、禪院甚爾。

いつもなら、金をもらえない仕事なんてしないはずだった。
いつもなら。

復活し最強となった術師を前に、
驚きとともに湧き出る想い。
違和感を無視して。
刹那の決着。

クソみたいな世界で、人を殴り蹴り飛ばし、強く自由に好きに生きてきた。
そんな人生に、思い残すことも、言い残すこともない、
ーーーーはずだった。

貫かれた体、吹き飛ぶ骨肉、流れ出す血。
激痛と薄れゆく意識の中。
最期に浮かぶのは、
他人と自分を尊ぶことを教えてくれた、
かけがえのない存在。
彼女によく似た髪型の、
恵あれ、と願う、幼い我が子。

呪いの家に生まれ、
望まれた恵を持たず、
望まぬ縛りを得て、
蔑まれて育った、
呪いの子。

最強を通じ、
息子にかけた、
最期の呪い。

それは


著者:芥見下々 (著)
ASIN ‏ : ‎ B08217NK5R
出版社 ‏ : ‎ 集英社 (2020/1/4)
発売日 ‏ : ‎ 2020/1/4
言語 ‏ : ‎ 日本語
ファイルサイズ ‏ : ‎ 49283 KB


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