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Amazonでレビューしたものです

1.目次

第１章　認知症になったボク
第２章　認知症とは何か
第３章　認知症になってわかったこと
第４章　「長谷川式スケール」開発秘話
第５章　認知症の歴史
第６章　社会は、医療は何ができるか
第７章　日本人に伝えたい遺言

2.認知症界の長嶋茂雄の遺言

著者の長谷川和夫先生は、精神科医で認知症の大家です。

「痴呆界の長嶋茂雄みたいな人だよ。」と紹介されたと解説で猪熊氏は書かれています。私は野球あまり知らないので、こちらの例えがどのくらいすごいのかわからないですが、日本の認知症の神様みたいな方と言ったら通じるでしょうか。

その第一人者である長谷川先生が、2017年に自ら認知症に罹患されたことを告白されました。
それを聞いた時私はとても驚きました。
おそらく日本で一番認知症に詳しい先生でも、認知症になってしまうのか、認知症の予防は、難しいんだな、と少しがっかりしたのも事実です。そして、認知症になったらその先どうなるか、発症後の経過を嫌になるほど見てこられたはずであり、わかっているだけに怖いだろうなと、勝手に想像しました。
しかし、こちらの本では、生活への不便は繰り返し書かれていますが、認知症そのものについては、非常に穏やかに受け入れられています。
その後に来るであろう自らの死についても。

3.「長谷川式スケール」

長谷川先生が開発され、その名前がついた認知機能検査です。
病院や介護の現場で多く利用されています。

こちらの本で開発者自ら解説され、開発の経緯についてもお話が載っています。

自分の名前がついた検査なんて、、
アルツハイマー博士がアルツハイマー病を発見したのと同じですよね。

4.病気と老化と

長谷川先生は、老化すること、それによって生活が不自由になり、認知症になることを穏やかに受け入れられておられます。

しかし、長谷川先生は自身が認知症なった今だからこそ認知症についてわかった、そして周囲に認知症について正しく知ってほしい、と思われ、こちらの本を書かれたそうです。

確かに年をとった人を、判断力が低下した人と、私も社会も置き去りにしていますし、ゆっくり待つ余裕をなくしているなと思います。

先日アルツハイマー型認知症の新しい治療薬・レカネマブが投与開始となって話題になりました。

このように研究が進み、認知症が治療可能な病気になることは、個人的にはとても喜ばしいことだと考えています。

一方、人間の死亡率は１００％であり、かならず死に向かって老いていきます。
どうしても人の手を借りて生活をする必要が出てくる時が訪れます。
しかし、この人口が減り続け、介護の現場では外国人ばかりのこの国で老いていくことに、私はとても不安を感じています。

長谷川和夫先生は、2021年にお亡くなりになりました。生涯を精神科医療に、認知症に捧げられたと言って良いでしょう。
キリスト教の信仰をお持ちで、信仰が支えになっていると繰り返しこちらの本でも書かれていました。
今後の認知症の医学の発展と、この国の行末を、天国から見守り導いていただきたいです。

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