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摂食・嚥下障害ケア〜急性期の取り組み〜

https://twitter.com/izumin_ST/status/1299561424474181633?s=20

急性期病棟に勤務されているSTさんからのこんな投稿が目にとまりました。

確かに急性期病棟のあり方について、批判的な意見も世の中にあるようです。急性期の対応が必要な疾患で入院して、そこでは食事形態が落とされたり、排泄にはカテーテルが使われたり、入院前と後で大きく状態が変わってしまう方は多いでしょう。

状態が安定したら転院したり、介護施設や在宅に移行したり、違ったアプローチを受けることになるのでしょう。そこでは生活の場で如何にQOLを改善するかのケアが受けられる、対して急性期は疾患に対するケアをするだけで、患者本人の生活を考えたケアは行われていない…というのが、批判的意見の要旨のようです。

しかし、この批判的意見は、実際の急性期病棟における取り組みを正しく評価したものでしょうか?

ギラン・バレー症候群の重症例で呼吸筋麻痺が出現した急性期の症例を読みました。
この症例でも経腸栄養で栄養管理しつつ、唾液が飲み込めない状態からもレモン水で味覚刺激を実施し、嚥下機能の回復に努めています。
300病日でペースト食の摂取へと段階を経ています。

急性期の不安定な状態からも、先を見据えた摂食嚥下訓練が早期に行われ、時間がかかっても嚥下機能の回復につながるという先を見据えたアプローチが、実際の現場にはある。

確かに急性期で栄養管理がうまくいかなかったりもあるでしょう。でもそれが全てではない。安易な絶食や安静は望ましくないと、専門家が書籍などで述べているのをよく目にします。

急性期病棟という空間の中、医療資源やマンパワーの限られた中で、必ずしも十分できるわけではなくとも患者の生活を考えたケアは、試行錯誤が積み重ねられているのではないでしょうか?介護施設などとは役割が違いますが、生活を支えるケアの視点は急性期にもあるのではないかと思っています。

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